日の丸食品メーカー、米国攻略の勝算 “先駆者"キッコーマンに学べ!
ウォルマートの店内を見回すと、日本の食品メーカーが手がけている商品はキッコーマンのしょうゆだけでないことに気付く。チーズなどのチルド製品売り場に並んでいるのは、コメを原料にしたクラッカー「クランチマスター」。これは、「亀田の柿の種」などで有名な日本の米菓最大手・亀田製菓が三菱商事とともに、現地企業に共同出資するTH FOODSが製造する商品だ。
「クランチマスター」は、発売以降じわじわと販売網を拡大している。この商品のウリは“グルテンフリー”。小麦を使用していないため、小麦に含まれる成分(グルテン)に対するアレルギーが出にくい。TH FOODSの売り上げは前年比2割のペースで伸長を続けている。
グルテンフリー市場が急成長
亀田製菓はTH FOODSを通じた米国事業の他に、子会社のKAMEDA USAを通じても米国ビジネスの拡大を図っている。KAMEDA USAは「亀田の柿の種」(現地名:Kameda Crisps、写真)を輸出し、現地で包装して販売している。2013年7月には、小麦の混入が起こらない環境で味付けした、グルテンフリーの「柿の種」を投入した。
米国ではグルテンフリーの市場が急速に拡大中だ。米国の調査会社、パッケージド・ファクト社によれば、2012年の市場規模は42億ドル。2017年には66億ドル規模に成長すると予想している。亀田製菓はグルテンフリーを含めた自然食品の分野を拡大するため、12年に現地の自然食品会社を26億円で買収するなど、勢いを見せている。これも米国の食品市場のトレンドに合わせた“現地化”作戦の一つといえるだろう。
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