何かにつけ不確実性の高い現代。一生安泰の仕事も、未来永劫つぶれない企業も存在しない。自分の仕事に明日があるのか――それをつねに考えておかないといけない時代だ。 この連載では、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談を募集。外資系金融、コンサル、ライブドア、企業再生コンサルなどを渡り歩き、数多くの業界やスタートアップに精通する塩野誠・経営共創基盤(IGPI)パートナーに、実践的なアドバイスをしてもらう。
目立たず、騒がず、今の職場にいたほうがいい
足下に落ち葉を見かけるようになり、街のショーウィンドウにはハロウィンの妖怪たちやカボチャを見かけるようになりました。わが国ではいつ頃からこんなにハロウィンがメジャーになったか定かではありませんが、ハロウィンで思い出すのは、子供の頃に住んだニューヨークでお化けに扮してイタズラで使ったシェービングクリームと湿った落ち葉の匂いです。
そんな水木先生も驚きの我が国の妖怪環境ですが、今回は非営利団体に勤める20代後半の女性からの今後のキャリアについてのご相談です。本連載も連載開始前は、編集部がヤラセの質問をつくらないといけないかと、佐々木編集長と話をしたものですが、始まってみたら質問が普通にどんどん来るので、半ば安堵し、半ばプレッシャーを感じています。今回は非営利団体の方ですが、世の中、仕事の悩みは尽きないものです。
今回の質問者の方は「非営利団体」とのみ書かれているので、それが財団法人なのか学校法人なのかどういった団体なのかわかりませんが、代々、引き継ぎもあるということですし、伝統ある団体かと推察いたします。「そんな職場で働き続けて、何が身につくのか不安」とおっしゃいますが、今時、安定した職場で定時に帰れるとは素晴らしいことです。
今回はシンプルに結論から申し上げます。所属されている団体があと35年くらい続きそうであれば絶対にそのままいたほうが良いです。目立たず騒がずい続けましょう。続きそうにないならば、あと30年以上、質問者の方が食べていくために仕事について真剣に考えた方が良いです。
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