NPOというキャリアはありですか? 【キャリア相談 Vol.20】

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何かにつけ不確実性の高い現代。一生安泰の仕事も、未来永劫つぶれない企業も存在しない。自分の仕事に明日があるのか――それをつねに考えておかないといけない時代だ。 この連載では、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談を募集。外資系金融、コンサル、ライブドア、企業再生コンサルなどを渡り歩き、数多くの業界やスタートアップに精通する塩野誠・経営共創基盤(IGPI)パートナーに、実践的なアドバイスをしてもらう。

【Vol.20】NPOで働き続けて大丈夫でしょうか
 はじめまして。現在非営利団体(NPO)にて事務員をしている20代後半(女性)です。
 今後のキャリアを考えていく上で、今何をしておくべきか、資格なら何をとっておくべきか、はたまた転職も視野に入れるべきかなどの、アドバイスをいただきたく、質問させていただきました。
 私は、4年制大学卒業後、営業職として大手証券会社に入社しましたが、2年足らずで退職し、今の職場に事務職で入りました。今の職場は前職とは業種も職種も正反対のところで、よく言えば定時で退社でき、今まで上司たちのやってきた仕事をそのまま引き継いでこなしていくだけでいい職場であり、悪く言えば今までやってきたことが本当に正しいのかも精査せずに、これでやってきたんだからこれでいいんだといった、新しく何かを始めることも、今までのやり方を見直すこともしようとしない時代錯誤な職場です。
 上司も自分たちの上司がやってきたことを引き継いで仕事をしているだけなので、自分の代で何かを変えることが嫌なようなのです。そんな職場で働き続けて、何が身につくのか不安に思い始め、もし再び民間企業に戻りたいと思ったときに、自分の市場価値が低くなって、全く世間で通用しない人間になっていたら…と、とても不安に思うのです。
 しかし、未だ特にやりたい仕事が見つかっていません。
 前職で証券会社を選んだのは、肌で経済の動きを感じたいということと、大手ならではの新人教育の充実度に期待したからです。営業に自分が向いているかを試してみたかったかというのもあります。今は漠然と語学を使いたいということしか考えられておらず、語学を使って、どういう仕事がしたいのか、明確になっていません。
 なんだか漠然とした質問ですが、20代で取り組むべきこと、身につけておくべきスキル、転職市場で求められる人材についてアドバイスいただけましたら幸いです。

目立たず、騒がず、今の職場にいたほうがいい

足下に落ち葉を見かけるようになり、街のショーウィンドウにはハロウィンの妖怪たちやカボチャを見かけるようになりました。わが国ではいつ頃からこんなにハロウィンがメジャーになったか定かではありませんが、ハロウィンで思い出すのは、子供の頃に住んだニューヨークでお化けに扮してイタズラで使ったシェービングクリームと湿った落ち葉の匂いです。

そんな水木先生も驚きの我が国の妖怪環境ですが、今回は非営利団体に勤める20代後半の女性からの今後のキャリアについてのご相談です。本連載も連載開始前は、編集部がヤラセの質問をつくらないといけないかと、佐々木編集長と話をしたものですが、始まってみたら質問が普通にどんどん来るので、半ば安堵し、半ばプレッシャーを感じています。今回は非営利団体の方ですが、世の中、仕事の悩みは尽きないものです。

今回の質問者の方は「非営利団体」とのみ書かれているので、それが財団法人なのか学校法人なのかどういった団体なのかわかりませんが、代々、引き継ぎもあるということですし、伝統ある団体かと推察いたします。「そんな職場で働き続けて、何が身につくのか不安」とおっしゃいますが、今時、安定した職場で定時に帰れるとは素晴らしいことです。

今回はシンプルに結論から申し上げます。所属されている団体があと35年くらい続きそうであれば絶対にそのままいたほうが良いです。目立たず騒がずい続けましょう。続きそうにないならば、あと30年以上、質問者の方が食べていくために仕事について真剣に考えた方が良いです。

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