天職は何か、考えてはいけない 迷っているなら「どっちもやってみたら?」

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「何をやったらいいのだろう、何が自分にいちばん合っているんだろう」多すぎる選択肢を前に、そんなふうに悩んでしまったときに、まずできることは、「選択肢を潰していくこと」だと思います。

目の前にある選択肢を潰すためには、まずはチャレンジしてみる。思いきりぶつかっていく。そして、ひとつずつ見切りをつけていく──。

もちろん、ぶつかったものがうまくいったら、それに全力を注げばいい。
逆に、うまくいかずに、自分には向いていないことがわかるときは、「いつのまにか」次の選択肢に興味が移ってしまっているものだと思います。

まだ、ほかに興味が移らないうちは、ひとつのことをやり続ければいい。

いつのまにかほかのことを始めてしまっていたら、それが「選択肢を潰した」証拠です。「これは自分には向いてない」と思えたら、それはあなたの人生が定まっていっている証拠です。

「どちらか」で悩まなくていい

では、もしあなたにはどうしてもやりたいことが2つあって、どちらを選択すべきか決められないとしたら、どうするか。

たとえば、気象予報士になるために、つなぎで始めたはずの塾のアルバイトが面白くて、「先生にもなりたい」と思ってしまったら?
仕事はとても面白いけれど、子どもを産んで育児もしたい……と、どっちにするかで悩んでいたら?

私の答えは簡単です。

「どっちもやってみよう!」

どちらにするか迷ったときには「同時に2つともやってみる」。
社長になってからというもの、この大切さをますます実感するようになりました。

みなさんにも、こんな経験はありませんか?たとえば、ウェブサイトのデザインを決めるとします。チームの仲間が集まって、いくつかのアイデアを検討した結果、最後に残った2つのデザインがどちらも甲乙つけがたくて、いくらみんなで話し合っても判断がつかない……。

そんなときわたしは「同時に2つともやってみる」ことにしています。

このやり方は、フェイスブックにいたときに学びました。「答えはユーザーに聞いてみる」──これがフェイスブックの哲学です。

フェイスブックは、現場で実際にサービスを作っているエンジニアの裁量が非常に大きい会社でした。

普通の会社なら、多くの部署の人たちがたくさん案を出して、それをひとつずつ会議で議論して承認を受けてからでなければ、新しいサービスは発表できません。
しかし、フェイスブックは違います。「現場の職人」であるエンジニアの判断で、「これがいい」と思ったものは、どんどんユーザーに使ってもらうのです。そして、うまくいったものは残して改良を重ね、ダメだったものは潔く消してしまう。

そうやってつねに行動していくから、「いいか、悪いか」を考える手間が省けて効率がいい。「考える前に、作る」。フェイスブックの成長スピードが速い秘訣は、ここにあるのです。

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