中島:サトシ・ナカモトは、発行が増えすぎてインフレになるのを嫌がって、発行上限を設けたとされていますが、上限を設けると、逆にデフレになりやすいんです。デフレは、物の値段に対して通貨が値上がりすることです。この発行上限に向けて、ビットコインには「半減期」が設けられており、発行量が4年ごとに半減していく仕組みになっています。
このため、この先、だんだんと供給量が減っていきます。そうすると、需要と供給の関係で値上がりするしかないじゃないかと皆が思うわけです。それを勉強した人がみんな買いまくっている状況です。
木本:半減期。語感からして、なんとなく儲かるようなイメージがありますね。
中島:このため、本来は「仮想通貨」であったはずのものが、投機のための「仮想資産」になってしまっている。先高感があって、明日値上がりすると思うものは、誰も今日の支払いには使わないからです。だから支払いのための「おカネ」としては使われずに、値上がり期待による「投機用資産」になっている。
木本:置いといたほうが得ですもんね。
中島:新聞を読むと、ビックカメラで使えるとかありますが、実は通貨としては、あまり使われていないという話です。
掘り終わったらビットコインの価格は、さらに上がる?
木本:全部掘り終わって、上限まですべてが発行されると、ビットコインの価格は、さらに上がるんでしょうか。
中島:マイナーがいつまでマイニングを続けるかという話ですが、最初は1回の計算ごとに50BTC、そして25BTC、2016年から12.5BTC。これからも4年ごとに6.25、3、1.5と減っていきます。マイナーは儲けるためにやっているので、どこかに損益分岐点があって、採算割れになるとマイニングをやめてしまうかもしれません。すると何が起こるか。マイナーが作業しなければ、10分に1度のブロックができないので、ビットコインの取引システムとして成り立たなくなる可能性があるのです。
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