中島:全体のプログラム管理は欧米で一生懸命やっているんですが、マイニングはほとんどが中国。自分たちが管理しているのに、ビットコインが落ちていく所は万里の長城の向こうだと怒っている。
木本:この規模を見ると、ちょっとやそっとでは勝てないですね。
中島:世界中で取引されているというイメージも、ちょっと違っています。過去2年間、どこで取引されたかを見ると、OKコイン、フオビ、BTCチャイナという3つの取引所で世界全体シェアの93%を占めています。
木本:日本の取引所は、その他の扱いですか。
中島:取引通貨でみても、人民元が94%、日本円は0.7%、8月までのこの2年間を見た数字です。欧米や日本での取引が多いと思われているかもしれませんが、これまでは、ほとんど「中国の中国による中国のためのビットコイン」だったというわけです。
資金洗浄などを懸念して、中国当局が規制へ
木本:それで9月に中国が規制して大暴落になるわけですね。
中島:はい、この3つの取引所は、中国当局が怒って閉鎖されてしまいました。なぜ中国人が買っていたかというと、資本規制を回避するためでした。中国は2015年に人民元を切り下げました。
これにより人民元に先安観が出てきたため、中国の富裕層は自分たちの持っている人民元をドルに変えようとしましたが、厳しい資本規制で交換できなかったのです。でもビットコインは、こうした資本規制の対象外だったので、いったんビットコインに交換したうえで、あとでドルに換えるという作戦に出たのです。
木本:1回ビットコインをかまして資本規制を回避し、資産を有効に運用できたのですね。
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