8・01ビットコイン分裂騒動とは何だったのか

仮想通貨を支える技術は、まだまだ未成熟だ

仮想通貨が分裂するとは、いったいどういうことなのか。一から解説します(写真:ふじよ / PIXTA)

8月1日に、仮想通貨のビットコインが分裂する可能性がある、というニュースが世間を騒がせました。結果的に、当面の分裂は回避されましたが、そもそも仮想通貨が分裂するとはどういうことなのでしょうか。かみ砕いて説明してみたいと思います。

結論を先に述べてしまうと、ビットコインが分裂するとは、「異なる規格のコインができる」ということです。

そもそも、仮想通貨の基本的な仕組みとは?

分裂の説明をする前に、前提となる仮想通貨の基本的な仕組みについて説明します。ビットコインをはじめ、多くの仮想通貨では「誰が誰にいくら送った」という送金にかかわる情報(トランザクション)を全参加者が「共通の規格」に基づいて処理しています。

全参加者がこの「共通の規格」に基づいて処理することで、「二重支払い(1度送金したお金を再度別の誰かに送ること)をしない」「持っている額以上は送ることができない」といった、通貨としての基本的な決まりが担保され、それによってお金としての価値を生みます。

物理的な紙の紙幣なら、二重支払いも複製も容易には起こりえません。しかし、デジタルなデータのやり取りで通貨として機能させるためには、データのコピーや改ざんが簡単なため、このような「共通の規格」が不可欠で重要になってきます。

この「共通の規格」と仮想通貨は表裏一体です。もし規格に変更を加えるなら、それはもう別の仮想通貨です。

今回のビットコイン分裂騒動は、この規格変更の仕方で参加者の意見が分かれ、起こった問題だったのです。

参加者全員が新しい規格に賛成すれば、問題なく新しい規格に移行できます。しかし、意見が割れた場合はお互いが異分子として判別されてしまいます。結果、古い規格の者同士、新しい規格の者同士でネットワークが分断されてしまいます。この分裂によりブロックチェーンが二股に分かれます。「二股に分かれる」ことをフォーク(分離)と呼んでいます。

では、フォークするとどうなるのでしょうか?

次ページフォークすると、いったい何が起きるの?
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