中島:3つ目が、最近起きたランサムウエア事件。パソコンを乗っ取って、「元に戻してほしければ身代金を払え!」というものですが、今年5月に全世界の約150カ国にばらまかれました。日本語を含めた二十数カ国語に翻訳できるようになっており、理解できる言語に変換できます。データを回復するためには300ドル相当のビットコインを、このアドレスに支払えというものでした。
木本:アドレスが犯人のものなのはわかっても、誰なのかは特定できない。匿名性を巧みに利用した、頭よくて悪いやつですね。
中島:匿名性のある支払手段ができたことによって、このところ、ランサムウエア業界は拡大の一途です。欧米の人がビットコインはよくない、邪悪なものだというのがわかってきたでしょう。
流通する通貨でなく、保有する資産になっている
中島:また、通貨として使われているかというと、「パッシブ・インベスター」という、買うばかりで一度も売っていない人やマイナーの利用ばかりが多くて、小口でビットコインを使っている「通貨ユーザー」はたった2%。マイナーがチャリンチャリンともらって、電気代を払うために売るのを、値上がり期待の投資家が買いまくっているというのが、ビットコインの中心的な取引なんです。
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