中島:まず、ビットコインは今、世界に1600万個のアドレスがあります。1600万人が利用している通貨だと取引所も言っています。しかし、誰がいくら持っているかという統計によると、0.001BTC、つまり数百円しか保有していない人が全体の6割を占めます。0.1BTCで8万円ですが、それ以下の人が90%です。ほとんどの人がちょっとしか持っておらず、お試しの人がかなり多いんです。
木本:本気で所有している人はごく一部だと。
1%の人間が90%のビットコインを独占している
中島:では誰が持っているのか。10BTC以上保有しているのは15万アドレスで、全体の0.8%にすぎません。その人たちが、ビットコイン全体の89%を保有しているんです。
木本:平等で使えるようにという始まりが、全然平等ではないんですね。
中島:その理由の1つに、初期のマイナーの存在があります。2009年の時点では、ビットコインには、誰も注目していませんでした。
その時の報酬は今の8倍もあり、競合するマイナーも少なくて、パソコンでちょっと計算すると、10分ごとにチャリンチャリンとかなりの報酬が得られた。その頃は、お金儲けというよりも、世界で初めての仮想通貨が面白くて楽しくて仕方ないという人たちがマイニングをやっていました。当時のビットコインの相場は1ドル程度でしたが、その人たちが初期にかなりの量をもらっています。
マイニングも上位の13社で世界の8割を占める寡占体制になっています。そのうち、中国の10社で世界の70%を占めています。なぜマイナーが中国に集中しているのかというと、電気代がとても安いから。マイニングのためには、大量のコンピュータを24時間365日回さなくてはならないので、ものすごく電気代がかかります。
木本:日本などでは、電気代が高くて商売として成り立たない。
中島:そう、インターネットにつながって、電気代が安い国ならばどこでもいい。今は全体の7割の報酬を中国人が得ています。10分間に1回12.5BTCずつもらえます。1BTCは80万円(取材時)ですから、10分ごとに約1000万円ずつチャリンチャリンと入ってくる。
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