衝撃!ビットコインに潜む「不都合な真実」 報道を鵜呑みにしていたら危ない

✎ 1〜 ✎ 40 ✎ 41 ✎ 42 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

中島:まず、ビットコインは今、世界に1600万個のアドレスがあります。1600万人が利用している通貨だと取引所も言っています。しかし、誰がいくら持っているかという統計によると、0.001BTC、つまり数百円しか保有していない人が全体の6割を占めます。0.1BTCで8万円ですが、それ以下の人が90%です。ほとんどの人がちょっとしか持っておらず、お試しの人がかなり多いんです。

木本:本気で所有している人はごく一部だと。

1%の人間が90%のビットコインを独占している

中島:では誰が持っているのか。10BTC以上保有しているのは15万アドレスで、全体の0.8%にすぎません。その人たちが、ビットコイン全体の89%を保有しているんです。

木本:平等で使えるようにという始まりが、全然平等ではないんですね。

中島 真志(なかじま まさし)/1958年生まれ。1981年ー橋大学法学部卒業。同年日本銀行入行。調查統計局、金融研究所、国際局、金融機構局、国際決済銀行(BIS)などを経て、2017年10月現在、麗澤大学経済学部教授。博士(経済学)。単著に『外為決済とCLS銀行』『SWIFTのすべて』『入門 企業金融論』、共著に『決済システムのすべて』『証券決済システムのすべて』『金融読本』など。決済分野を代表する有識者として、金融庁や全銀ネットの審議会等にも数多く参加。最新刊『アフター・ビットコイン』(新潮社)がベストセラーに(撮影:尾形文繁)

中島:その理由の1つに、初期のマイナーの存在があります。2009年の時点では、ビットコインには、誰も注目していませんでした。

その時の報酬は今の8倍もあり、競合するマイナーも少なくて、パソコンでちょっと計算すると、10分ごとにチャリンチャリンとかなりの報酬が得られた。その頃は、お金儲けというよりも、世界で初めての仮想通貨が面白くて楽しくて仕方ないという人たちがマイニングをやっていました。当時のビットコインの相場は1ドル程度でしたが、その人たちが初期にかなりの量をもらっています。

マイニングも上位の13社で世界の8割を占める寡占体制になっています。そのうち、中国の10社で世界の70%を占めています。なぜマイナーが中国に集中しているのかというと、電気代がとても安いから。マイニングのためには、大量のコンピュータを24時間365日回さなくてはならないので、ものすごく電気代がかかります。

木本:日本などでは、電気代が高くて商売として成り立たない。

中島:そう、インターネットにつながって、電気代が安い国ならばどこでもいい。今は全体の7割の報酬を中国人が得ています。10分間に1回12.5BTCずつもらえます。1BTCは80万円(取材時)ですから、10分ごとに約1000万円ずつチャリンチャリンと入ってくる。

次ページ中国のマイナーの規模は尋常ではない
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事