すると、ジョージが「でもアメリカではHappy Holidaysというのが『政治的に正しい』とされているから、Merry Christmasは使わないほうがいいね」と言いました。そう言えば、いつのころからかアメリカでは、キリスト教以外の宗教を信仰する人や宗教信仰をしない人への配慮としてMerry Christmasではなく、Happy Holidaysという表現を使うことが一般的になってきました。特にサービス業ではそれが「すべてのお客様に配慮している証し」のようになったのです。クリスマス色を出しすぎると反発が起きるような風潮もありました。
Happy Holidays! (すてきなホリデーシーズンを!)
Happy Holidaysと言っておくと無難かも?
でも、これは企業の話で、個人レベルでは気にせずMerry Christmasを使う人も多いです。Happy Holidaysを使うのは、仕事上のお付き合いでのあいさつや、明らかに相手がキリスト教徒ではないとわかっているときくらいかもしれません。Merry Christmasと言われると、I’m not a Christian! (オレはキリスト教徒じゃない!)とムッとする人もごくまれにいますので、そういうのが面倒くさいから「とりあえず初めからHappy Holidaysと言っておく」という感じで使う人も多いようです。
近年では逆にその「政治的に正しい」風潮に対する一部のキリスト教徒の反発が起きて、今度はHappy Holidaysを使っている店をキリスト教徒がボイコットするなんていう極端な例も……。ドナルド・トランプ大統領までがWe're all going to be saying “Merry Christmas” again. (アメリカ国民はみな、また「メリークリスマス」を使うようになる)なんて言ってニュースになったこともありましたね。
スターバックスがホリデーカップからクリスマスのデザインを排除したことに反発した人の動画が、一時期よく取り上げられていたのも記憶に新しいです。アメリカのスターバックスでは、注文時にお客さんの名前を聞き、それを店員がカップに書き入れて、飲み物が完成するとバリスタがその名前を読みあげるシステムなのですが、「名前を『メリークリスマス』にすれば、奴らが『メリークリスマス』と言わざるをえなくなる! 名前を聞かれたら『メリークリスマス』と言おう!」なんて呼びかけをしている動画で、あちこちで話題になりました。
ジョンによるとイギリスではHappy Holidaysは使わないとのこと。アメリカやカナダのようにThanksgiving Day(感謝祭)がありませんし、ユダヤ教徒やアフリカ系の人が多いわけでもないからだと思うと言っていました。キリスト教徒でない人も、あまり気にせずにMerry ChristmasやHappy Christmasと言うみたいです。オーストラリアでは「アメリカほどじゃないけど、Happy Holidaysって使う企業はあったかも」とジェーン。「別にどれで言っても問題ないわよ」っと言っていました。ジョッシュが言うには、こちらに関してはカナダはアメリカに近いようでHappy Holidaysがよく使われているようです。
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