協力してけっこう探してみたのですが、なぜクリスマスにmerryを使うのかはわからずじまいでした。唯一わかったのは、記録上初めてmerryがイギリスで使われたのは1500年代で、その使用が広まったのは1800年代。チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』が出版されたあたりのよう。その後、Merry ChristmasとHappy Christmasのどちらも使われるようになったようです。
19世紀後半あたりには、merryの「酒を飲む」というニュアンスから「宗教行事に酒を飲むなんて、下流市民のすることだ」ということで、「Happy Christmasのほうが本来の宗教的な意味として好ましい」という考えが中流階級の人たちのあいだで広まったという面白い記述も! そう聞くと、個人的に筆者はhappyよりmerryなクリスマスのほうが好きですけどね!
Happy Christmas! (クリスマスおめでとうございます!・幸多きクリスマスになりますように!)
いくつかのサイトで書かれていたうわさによると、この理由から、エリザベス女王はHappy Christmasのほうを好んで使うとのこと。そういえば、女王は毎年クリスマスにスピーチをするんです。筆者もイギリスにいたときにテレビで見た覚えがあります。でも、内容まではよく覚えていませんでしたので、動画を検索して視聴してみると、たしかに最後にI wish you a very happy Christmas. と言っています。すぐにジョンにも見せると、「ふーん、僕はMerry Christmasって言うけどね……」と冷めた様子でしたが……。
merryの起源はともかく、イギリスではhappyでもmerryでもどちらでも構わないというのは間違いないようですね。でも、いまでは誰も気にしていないのでしょうが、もともとニュアンスの違いがあったというのは面白いですね。
アメリカの「政治的に正しいクリスマス」
ジョンの隣の席にいるアメリカ人のジョージが、筆者たちのやり取りを聞いて興味を持ったのか、What are you guys talking about? (キミたち、何の話をしてるの?)と聞いてきました。どうしてMerry Christmasと言うのかを調べていることと、Happy ChristmasとMerry Christmasの違いの話をしていると伝えると、ジョージが「アメリカ人はHappy Christmasというのは使わない」とのこと。Me, neither! (僕も使わないよ!)とジョンがすかさず合いの手を入れますが、それは個人的な話でしょう!
ここまで来たらすごく気になって、オーストラリア人のジェーンにも尋ねてみました。ジェーンは少し考えてから「どっちも言うし、別に意味の差は感じない」とのことです。そして、カナダ人のジョッシュによると、カナダでもHappy ChristmasとMerry Christmasの両方を使うようです。やっぱり、英連邦王国内はどの国でもイギリス式なのでしょうかねぇ。
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