「メリークリスマス」の挨拶は万国共通でない イギリスとアメリカでもこんなに違う

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アメリカでは、このHappy Holidays vs. Merry Christmas論争が12月になると盛り上がるようになってきました。ほとんどの人はおそらく「どうでもいい」と思っているのだと思いますが、メディアも面白がって取り上げるし、SNSで極論派の方々がやり合うので、話題にのぼりやすくなったのでしょう。

クリスマスなり、ただの休暇なり、別の行事なり、せっかく相手を気遣ってかけるあいさつなのに、こんなふうに争いの原因になるのは、本当に悲しいですね。相手がどれを言おうと、自分は自分の心地のよいフレーズで答えるというのではダメなのでしょうか……。

クリスマスはロマンチックではない?!

翌週、いろいろと調べた結果をハナコさんのクラスでみんなに伝えました。残念ながらなぜmerryを使うのかはわかりませんでしたが、クリスマスのあいさつに関するトリビアをみんな楽しそうに聞いていました。宗教的配慮からHappy Holidaysという表現を使うということには驚いていましたが、それに対して反対運動が起きているということにはさらにビックリしていました。

すると、「クリスマスに恋人がいない人が、やっかみでケチつけてるんじゃないですか?」というタロウさんの冗談をきっかけに、他の研修生たちが笑いながら「恋人のいないクリスマスはさびしいからね~」「私もクリスマスまでにボーイフレンドがほしい!」と口々に冗談を言います。なるほど……この時期になると恋人が欲しくなるというのは、いかにも日本人らしい発想。イギリスやアメリカのクリスマスは少し雰囲気が違うというのは皆さんご存じでしょうか?

そこで、研修生たちに「イギリスやアメリカのクリスマスというのは、恋人のイベントではない」と伝えると、みんな少し意外そうにしていました。クリスマスは家族や親戚が集う、日本で言えばお正月みたいな感じのイベント。もちろん、恋人を実家に連れていって家族に紹介したりすることはありますが、基本的には家族の行事なのです。

日本と違うと言えば、食べるものも微妙に違います。まずはケーキ。日本ではホイップクリームにイチゴをのせ、クリスマスのデコレーションをした「クリスマスケーキ」なるものを食べますが、イギリスやアメリカではそのようなケーキをクリスマスに食べる習慣は一般的ではありません。

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