頭がいいのに仕事ができない人の「思考の癖」 面白がって可能性を信じれば「必ずできる」
どんな仕事もひととおりきちんとこなす「外さない社員」や、「あの人に任せておけば安心だ」と上司に言われる「ソツがない社員」は、必要な情報を集めてくるのがうまい。さらに彼らには状況を把握する能力もあり、分析も得意だ。
だから課題を目にしたときに、次のようになりがちだ。
「この事業の問題点は○○ですね。さらに××も弱いと思います。そして今、市場はこういう状況ですから、この販売プランでは計画どおりの売り上げも利益率も難しいでしょう……」
かように「アラ探しの達人」、もしくはぜんぶ他人事の「評論家」になってしまうのだ。
彼らの指摘する問題点や弱点はたいてい当たっているし、情報の読みも的確だ。提案されたプランに対する分析も優れていることが多い。
しかし、ビジネスは間違い探しのテストではない。
ビジネスの世界ではそもそも、考えるのは行動するためだ。行動につながらない「賢さ」はビジネスにおいては武器にはならない。
私自身のキャリアを振り返ると、コンサルタントも同じ罠(わな)に陥りやすいと感じる。徹底的に論理的に考えると、矛盾が見つかりやすいので、そこを指摘したくなるのである。「この事業計画はここがおかしい」「この事業モデルは黒字化しません」といった具合に、問題抽出に走ってしまう。どれも正しい指摘だが、これだけではクライアントは満足しないし、どう動いていいかわからないだろう。
「必ずできる」ためには、分析や否定だけに留まってしまう思考の癖をなくすことが大切だ。
「予定調和」には限界がある
大きな組織の中には、暗黙のうちに「落としどころ」がある。
これを見つけるのは「外さない人」や「ソツがない人」の得意技であり、前例に基づいた判断基準をもとに、「この案ややり方だったらいいだろう」という答えを導き出す。
「前期に出した販売プラン自体はOKが出たが、予算を削るように言われた。だから今回は、似たような販売プランで予算を抑えたものをつくろう」という具合だ。
難しいことにチャレンジもしていないし、斬新なアイデアも含まれていないが、提案の内容には誰も反対する理由がない。無難な答えなので、すんなり承認されがちだ。
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