箱根・富士屋ホテルが再ブレイクしたワケ ”クラシックホテル萌え”だけじゃない

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たとえば今、平日に少人数で行う形式が増えています。1920(大正9)年にできた「カスケードルーム」という建物は、ステンドグラスで庭が見えるきれいな会場ですが、昔はダンスホール、ボールルームだったので80~100名様用なのです。これでは年間200組ぐらいが限度です。ただ、現代人は休みのとり方も自由になる一方で、親戚の方々との関係も以前ほど濃密ではなくなった。1組当たりのご婚礼の人数が少なくなっている。

安藤昭社長

私どもは日本の中心に立地していて、新郎新婦さんも7~8割は首都圏の方です。今は東京や横浜で働いていても、ご出身は北海道や大阪、福岡だったりして、ご両親やご親族は出身地で生活されている方もいらっしゃいます。小田原は新幹線も止まるし、式は東京で挙げるのも箱根で挙げるのも同じなのです。

“一石三鳥”と言いますからね。ここなら、挙式とお披露目と、旅行と温泉ともう1回で全部済んでしまうと。

――挙式&お披露目で1ですよね。旅行で2で温泉で3ですか。なるほど(笑)。

大きい宴会場は登録有形文化財で、なかなか増築もままならない。ただ、少人数用の15~20名用のお部屋は、内部の改修で作れます。

別館として、旧御用邸の「菊華荘」がありますが、今は御座所、ばらの間、桃の間、桜の間の4会場で同時に披露宴ができます。これは司会の方もいない、音楽も余興もない、いわゆるお披露目会場です。挙式は箱根神社や当ホテルのチャペルでされて、夜6時の夕食に合わせて15~20人で会を開かれるわけです。新郎新婦も楽な格好に着替えて。なかには宿泊される方も多いです。

――列席者も気楽でいいですね。

今まではリゾートの婚礼は土曜日、日曜日、祝日などが中心でしたが、平日ならお泊りのディスカウント率もいいですし、道路もすいていますから。

550組のうち200組が多人数として、350組は全部少人数です。うち150ぐらいが週末で、平日は200組ぐらいですね。

若者にも”クラシックホテル萌え”が来ている?

カフェ&レストラン/バー「ヴィクトリア」。和洋折衷なクラシックテイストが若者の心までとらえる

――晩婚が増えていると言っても、婚礼のメインターゲットは20~30代。若い層は富士屋ホテルのどんなところを評価しているのでしょうか。

やはり100年以上続くホテルだということと、ほかにはない雰囲気や空間ですね。観光で当ホテルに足を踏み入れていただいて、気に入っていただくことも多く、本当にありがたいことだと思います。

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