子どもには「好きなこと」をやらせるべきだ 成毛眞氏が提案する「生き抜く能力」の磨き方
最後に、この国の未来を担う若者に必要なものは何か、についても言及しておこう。
まず、受験勉強は時間の無駄だと思ったほうがいい。ひと昔前は、一流大学から一流企業というレールに乗るのが幸せになる最も確実な手段だったかもしれないが、いまは決してそうではないということを知るべきだ。受験勉強に順応してきた人は、上から命じられたことを文句も言わず、きちんと効率よくこなす訓練ができている。そういう人もいないと、確かに会社は回らない。
子どもを「社畜」にしたいか?
だが、それは言葉を換えれば「社畜」になるということではないか。小学生の頃から塾に通ってひたすら教科書や参考書を覚えた結果が、企業に手足のように使われる社畜では、どう考えても割に合わないだろう。
企業のほうもだんだんと、受験秀才を欲しなくなってきている。以前は、東大卒といえばそれだけで、どこの企業も喜んで採用したが、遊びも旅行も恋愛もせず、受験勉強に打ち込んできたタイプの東大生は、伸び代がないと逆に敬遠されがちなのだ。
さらに、読書の効能を説く人は少なくないが、人文系の教養の価値は、これから確実に下がっていく。夏目漱石や川端康成を読んでいるから豊かな人生を送れるなどという保証はないし、そういう人が有能な社会人になれるとも思えない。2時間も3時間もかけて文芸作品を1冊読む時間があるなら、ネットの経済記事に目を通すほうがよっぽど未来に役立つ情報が得られる。
ゲームも悪くない。私は娘が高校生の頃、親子でオンラインゲームにはまって、3年間で5000時間も一緒にゲームをやった。
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