「退屈な文章」があなたの価値を台無しにする

大量に送るメールこそ、型通りではいけない

誰かに勧められた書籍を読んだり、著者本人に書籍の感想を伝える時も同じです。ただ「勉強になりました」と書くのではなく、「●ページの言葉が響きました」と書くと、「この人は、しっかり読んでくれたのだな」と感じてもらえます。

「そんな簡単なことでいいのか?」と思われるかもしれませんが、ふだん講演や書籍についてたくさんの感想をいただく身としては、8割以上の人はこれをやっていないと感じます。

単に「よかったです」「感動しました」といった感想は、何も伝えていないのと同じこと。1行でいいので、「あなたにしか言えない」言葉を足しましょう。

「その場にいた人しかわからない情報」を書く

感想を添える以外にも、日頃の文書にちょっとした差をつけることはできます。「その場にいた人だけが知っている一次情報」を付け加える、という方法です。

■一次情報に「価値」がある

1つ例をあげます。

先日新聞記者の知り合いが、いい原稿の例として、高校野球の地方大会決勝戦についての記事を見せてくれました。そこには、スコアや試合の経過に加えて、「辛くも敗れた名門S高校の選手たちに一切の涙はなく、晴れやかな笑顔だった」と書かれていました。

スコアや試合経過は検索すればすぐにわかるでしょう。でも、この「接戦で敗れた選手たちが泣かなかったどころか、笑顔だった」というのは、その場にいた人しかわからない事実です。新聞記者の彼曰く、こういった一文が、わざわざ現場まで行って取材する価値だというのです。これこそ、「その場にいた人だけが知っている一次情報」です。それが意外な事実であればあるほど、文章の価値があがります。

■報告書で差をつける

これを応用してあなたのビジネス文書の価値をあげてみましょう。

たとえば取引先のパーティに出席した際の報告書。「300人が参加して盛況だった」と書くのでは、その場にいなかった人でも書ける内容になってしまいます。そうではなく、「社長が『3年前に倒産の危機を迎えたとき、それを超えられたのは今日会場にいる300人のお陰だ』とあいさつし、参加者の中には涙ぐむ人もいた」などと書けば、文章を読んだ人にも臨場感が伝わります。

たった一文追加するだけですが、このような報告書は読む人に「わざわざ読んだ価値があった」と思われる効果があるのです。

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