0→100km/hが1.5秒台!EVはF1より速い レーシングカーにも電動化の波が押し寄せる

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毎年秋に静岡で開催される学生レーシングカー競技の祭典「全日本学生フォーミュラ」では、最近ある変化が起きている(写真:名古屋大学FEM提供)

「うまくやってくれよ」。

学生達が見つめる先には、自分たちが作ったフォーミュラカーがある。アクセルを踏み込んでから4秒で時速104キロメートルに達する。そんなスーパーマシンを1年かけて作り上げる。

「全日本学生フォーミュラ」は、毎年秋に静岡で開催される学生レーシングカー競技の祭典だ。2003年に始まり、全国から100以上のチームが参加する。そんな競技に、最近ある変化が起きている。2013年から始まった電気自動車(EV)部門への参加が、この5年で8チームから19チームへと急増しているのだ。

彼らはなぜEVシフトを決めたのか

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過去にエンジン車で優勝経験のある強豪チーム・名古屋大学FEMも、今年9月の大会からエンジン車での参加を取り止めEV化に舵を切ったチームの1つだ。彼らはなぜEVシフトを決めたのか。それは、「海外での学生フォーミュラのレース結果を見ると、圧倒的にEVのチームが速いタイムを出すようになっている」からだ。

2016年、スイスのチューリッヒ工科大学の学生チーム「AMZ」のフォーミュラカーが世界中のレースファンを驚かせた。停止状態から時速100kmに加速するまでの秒数(ゼロヒャク)の世界記録を1.513秒に塗り変えた。エンジン車のF1マシンが2秒台といわれていることを考えると、驚異的な速さである。

EVは、アクセルやブレーキが実際に効くまでの伝達速度が速く、エンジン車に比べて、低速から最速スピードを出すまでが速い。

自動車の出足を左右するのは、動力系のトルク。エンジン車はアクセルを踏み込み、燃料を一定量使って回転数を上げないとトルクが高まらないので、一気に加速といってもアクセル操作に対するタイムラグが生じる。ところが、EVを駆動するモーターはゼロの状態から一気にトルクを出せるので、出足が鋭い。フォーミュラレースでは、加速とブレーキを狭いコースで繰り返すため、その特性をフルに生かせる。

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