「フォーミュラE」にドイツ勢が参戦したワケ モントリオールを取材してわかったこと
アウディとポルシェがWECから撤退
そのニュースは7月28日、最終戦の前日に流れた。
「ポルシェが(ル・マンを含む)世界耐久選手権(WEC)から撤退し、フォーミュラEに参戦する」
ポルシェといえば、フェラーリと並ぶ「速い車」の代名詞。WECの中でも特別とされる「ル・マン」(フランスで100年近い伝統を持つ24時間耐久レース)では過去3年連続で優勝している。その前は5年連続でアウディが優勝している。
ル・マンのトップカテゴリーが「ハイブリッド車」になったことを受け2012年に再参戦したトヨタ自動車にとっては、アウディ、ポルシェを倒して「ハイブリッド世界最速」の称号を手に入れることが悲願。だが、その夢はまだ果たせていない。
ところが2016年を最後にアウディがWECから撤退、そして今回、ポルシェも撤退を表明した。2018年6月のル・マンはトヨタにとってライバルのいない寂しいレースになる。
アウディとポルシェがWECから撤退するのは、フォーミュラEに全力を注ぐためと言っても過言でない。アウディやポルシェはWECで培った技術を市販のハイブリッド車やプラグイン・ハイブリッド車に生かしてきたが、市販のハイブリッド車では「プリウス」という圧倒的なブランドを持つトヨタに敵(かな)わなかった。
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