「フォーミュラE」にドイツ勢が参戦したワケ モントリオールを取材してわかったこと
だからこそ、というべきだろう。ドイツ勢はハイブリッドからEVに土俵を変えることで、プリウスの牙城を崩そうとしている。そのためのフォーミュラE参戦である。
現在、フォーミュラEに参加しているのは10チーム。大手自動車メーカーで企業本体が参加しているのはフランスのプジョー・シトロエンとルノー、インドのタタ・モーターズ傘下のジャガーの3社。アウディは「アウディ・スポーツ」というモータースポーツ子会社が参加しているが、本体は参加していない。残りは中国のネクストEV、テチーター、インドのマヒンドラ、米国のファラデー・フューチャーといったEVベンチャーだ。
ドイツの4大ブランドがフォーミュラEにそろい踏み
「ようこそメルセデス、ようこそポルシェ」
レースの前日、コースを歩くと、こんな横断幕がかかっていた。ポルシェとメルセデスの参戦は2019年開幕の第6シーズンからだが、ビッグネームの参戦を主催者は大いに歓迎している。すでに参戦を表明したアウディ、BMW を含め、これでドイツの4大ブランドがフォーミュラEにそろい踏みする。
昨年のフォーミュラEチャンピオンで今季も第11戦開幕前の時点でドライバーズポイントでトップに立っていたルノー・e.ダムスのドライバー、セバスチャン・ブエミは、レース前日の記者会見で興奮ぎみに言った。
「(フォーミュラEが始まった)2014年には、こんなに注目されるなんて考えられなかった。すばらしいことだ」
ブエミは2009年から2011年まで自動車レースの最高峰、フォーミュラ1(F1)のドライバーを務め、2012年から世界耐久選手権(WEC)でトヨタのドライバーを務めている実力者。ここ数年は元F1ドライバーのルーカス・ディ・グラッシとのライバル対決でフォーミュラーEを盛り上げている。
ひょっとするとそれほど遠くない将来、われわれは日本でブエミに声援を送っているかもしれない。
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