「プリウスPHV」が不人気を吹き飛ばした理由 大幅進化の新型は欧米の挑発に実力で応えた
今年2月に発売されたトヨタ自動車の新型「プリウスPHV」が、好調な立ち上がりを見せている。発売からおよそ1カ月にあたる3月16日時点の発表では、約1万2500台の受注を記録したという。
PHVとは「プラグインハイブリッド車」の略だ。充電したモーターだけで走る電気自動車(EV)としても、エンジンとモーターを併用するハイブリッド車(HV)としても使える。新型プリウスPHVは現行4代目プリウスがベースとなる。
先代プリウスPHVの状況を知る人にとって、月間販売目標2500台の5倍という新型プリウスPHVの初速は驚きの数字であるはずだ。先代は2009年末、まず主として官公庁や企業向けとしてリース販売をスタートした後、2012年始めから一般向けの市販を開始したが、それから4年間かけて全世界で7万5000台しか売れなかった。
これは年間2万台弱というわけで、悲惨な数字とも言えない。世界のEVやPHVのデータを紹介するウェブサイト「EV Sales」によれば、現在販売中のもうひとつの和製PHV、三菱自動車工業の「アウトランダーPHEV」が昨年世界で販売した台数は2万7000台だ。
とはいえ、ベースの3代目プリウスが日本だけで月1万台以上をコンスタントに販売していたことを考えれば、いまひとつの結果である。
先代プリウスPHVの不振の理由は?
PHVが高価だったわけではない。リース販売が始まったときは525万円と、通常のプリウスの倍以上の数字に愕然とした覚えがあるが、2012年に一般向け販売が始まったときには320万円からと、わずかではあるが新型より安かった。ただ人間は最初の印象を根強く持ち続ける傾向がある。デビュー直後の525万円で「PHVは高い」というイメージを受け付けてしまった可能性もある。
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