トヨタ系列も巻き込まれるEVシフトの衝撃 部品は4割減、楽観論もあるが時間の問題だ
世界中で高まるEV(電気自動車)シフトの機運により、自動車業界が100年に一度の大転換期を迎えようとしている。
「2025年までに電動車においてグローバルでナンバーワンになる」(独フォルクスワーゲンのマティアス・ミュラーCEO)
「日産が初代リーフを出した当時、EVが来ると言っていたのはウチだけだったが、今やEVへの取り組みや戦略を皆が発表している」(ルノー・日産・三菱連合の会長を務めるカルロス・ゴーン氏)
環境問題の対策へ、今年7月に英仏両政府が「2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する」と宣言。自動車の2大市場である中国や米国でEVなど次世代車の販売割合を義務付ける規制が、2018年から2019年にかけて導入される。これを受け大手自動車メーカーの首脳は、次々にEVの投入計画を発表している。
トヨタもマツダと組んでようやく本腰
ただ、日本は、日産自動車が量産EV「リーフ」で先頭を走るものの、トヨタ自動車は9月28日にマツダやデンソーと共同でEVの基幹技術を開発する新会社を設立するなど、ようやくEVに本腰を入れ始めたところだ。世界を見渡せば米テスラや中国のBYDなど、EVで先行する企業が活気づいている。
『週刊東洋経済』は10月16日発売号(10月21日号)で「日本経済の試練 EVショック」を特集。世界中で巻き起こるEVシフトが日本の産業構造にどのような地殻変動をもたらすのか、展望している。
日本の自動車産業は、全就業人口の8.3%にあたる534万人を抱える。鉄鋼業界や化学業界など素材分野から、運輸やガソリンスタンドといったサービス関連分野まで、裾野が広い。貿易収支においても、輸出額から輸入額を差し引いた純貿易収支が14.2兆円と、他産業と比べても圧倒的な稼ぎ頭となっている。
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