大阪桐蔭が競り勝つ秘密は「選手の声」にある センバツ王者が国体で準優勝できたワケ

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えひめ国体・高校野球硬式2回戦。花咲徳栄に勝利し喜ぶ大阪桐蔭ナイン=松山中央公園野球場(通称、坊っちゃんスタジアム)(写真:共同通信社)

えひめ国体の高校野球(硬式)は10月7日(土)から9日(月・祝)まで坊っちゃんスタジアムで、大勢の観客が見守るなかで行われた。強肩で知られる広陵高校(広島)中村奨成のセカンド送球にざわめきが起こり、ファインプレーに拍手が送られた。甲子園大会のようにブラスバンド部の応援があるわけではないので、選手の声がスタンドまで聞こえてきたことは新鮮だった。

夏の甲子園のベスト8に4校を加えた12校で優勝が争われたが、いちばん声が大きかったのは大阪桐蔭(大阪)だった。試合前のシートノックが始まるとき、整列するとき、チャンスやピンチ場面で相手を威圧するほどの大声が出ていた。

大阪桐蔭の誰もが認める実力、それを支えるのは声

野球の試合中の声にはいろいろな種類がある。キャプテンの号令に合わせた返事(シートノック開始や試合前後のあいさつ)のほか、ピッチャーに対する激励、ピンチのときの注意喚起、相手にプレッシャーをかける声などだ。昭和の高校野球では相手チームをなじり挑発するためのやじもあったが、フェアプレーが定着した今ではほとんど消滅している。

2017年センバツ王者の大阪桐蔭は夏の甲子園で3回戦負けを喫したが、選手の能力の高さとチームの実力は誰もが認めている。国体の初戦は開催県代表の済美(愛媛)にサヨナラ勝ち、2回戦で夏の王者・花咲徳栄(埼玉)を押し切り、準決勝では津田学園(三重)に5回コールド勝ちをおさめた。決勝で広陵に4-7で敗れたものの、投手も野手も別格の動きを見せ、目の肥えた愛媛の野球ファンをうならせた。

中学時代に野球の才能を認められた優秀な選手が多く集まり切磋琢磨することで強さを磨いているが、彼らの声をよく聞くと、技術やセンスだけで勝ち上がっているわけではないことがわかる。

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