大阪桐蔭が競り勝つ秘密は「選手の声」にある センバツ王者が国体で準優勝できたワケ
3年生が引退したあとの新チームでキャプテンを任されているのが、夏の甲子園で3番ファーストだった中川卓也だ。3回戦の仙台育英戦、最後の最後で一塁ベースを踏み忘れた選手といえばすぐに思い出すだろう。あの一戦でのミスが教訓になっていると中川は言う。
「夏の甲子園は最後に自分のミスが出て負けてしまいました。それから100パーセントの確認をすることを心掛けています。99.9パーセントでも十分ではありません。夏の甲子園でそのことを学びました。大事なのは、その場面で重要なことの確認の声、相手にプレッシャーをかける声です。自分は声を出せるほうなので、その長所を生かしたい」(中川)
春のセンバツ連覇を目指す大阪桐蔭は、国体の直後に行われた秋季大阪大会準決勝で近大付を8対1(7回コールド)で下し、近畿大会への出場権を得た。明日、10月14日(土)に履正社との決勝戦に臨む。
目まぐるしく変わる局面で重要なのはやはり「声」
「自分たちの目標は、春のセンバツに出て41人の部員全員で優勝旗を返すこと。それをまた持って帰ることです。絶対に春夏連覇をしたいと考えています。まだ技術が不足していますし、メンバーとメンバー以外、レギュラーとレギュラー以外、1年生と2年生に温度差があるように感じています。チーム全員が同じ方向を向くこと、本気の本気で取り組むことが大切だと思います」(中川)
どれだけ優秀な選手を集めても、野球にはミスがつきもの。1球ごとに局面が変わるだけに、しつこいくらいの確認が必要になる。そのために重要なのが声なのだ。才能豊かな選手の派手なプレーばかりに目が行きがちだが、彼らの声に耳をすませば、大阪桐蔭の強さの秘密がわかるだろう。
(文中敬称略)
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