「フォロワー数がすべて」に陥った30代の末路 堀江貴文氏から見えてくる「人気の本質」
なぜ堀江貴文氏はベストセラーを連発するのか
「ホリエモン」こと堀江貴文さんは、ライブドア事件で逮捕・収監され一時期は表舞台から消えていたが、最近になりまたテレビに出演するなど再ブレーク中だ。出版する本の多くがベストセラーとなり、累計発行部数242万冊(2017年7月現在)。いまやビジネス書のベストセラー作家でもある。
堀江さんのTwitterフォロワー数は280万人。SNS以外にもさまざまなメディアを駆使し、圧倒的な情報発信力を持っている。「フォロワー数が多いのだから本が売れるのは当然」と思われるかもしれないが、本当にそうだろうか? 確かに堀江さんのフォロワー数は多いが、もっとフォロワー数が多い芸能人や有名人はいる。フォロワー数が多い人ほど本が売れるというなら、世の中にはベストセラー作家がもっと誕生しているだろう。
なぜ彼の本は売れるのか? 堀江さんが実践する戦略や、発信力の秘密に迫る前に、筆者の知り合いの話をしよう。
時代は2010年にさかのぼる。30代前半の江川シンイチ(仮名)は、はやりモノに敏感で情報感度が高いという強みを持っていたが、モノゴトがなかなか長続きしないのが玉に瑕(きず)。シンイチはしばらく会社に勤めた後、「会社員はどうもオレの性に合わない」とフリーランスに転じて、何かを専門にするわけでもなく、知り合いのツテで依頼がきた仕事を請け負っていた。そこで登場したのがTwitterだ。「これははやる!」と確信した彼は、興奮ぎみにこう言った。
「Twitterでフォロワーを増やせば必ずカネになる! これをビジネスにしよう!!」
特にはやり出した頃のTwitterでは、フォローされたらフォローを返す、いわゆる「フォロバ(フォローバック)」がマナーのひとつだった。シンイチは「フォロバ」をしてもらうため、こまめにいろいろな人をフォローして、フォロワー数稼ぎを頑張った。苦労して集めたTwitterのフォロワー数は3万人。まもなくシンイチは「ソーシャル・メディア・コンサルタント」を名乗るようになった。
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