スタンフォードで痛感、教員はラクじゃない 米国トップスクールの教員はどんな「教育」をしているか?(前編)

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アメリカの大学教員はどんな仕事をしているのか?

これまでにスタンフォード大学の選抜ついて(記事はこちら)や、経済学者になった経緯(記事はこちら)なんかを紹介してきたが、今回はこれまでなんだかんだで書く機会のなかったアメリカの大学、特に経済学部の教員の仕事について、僕自身がスタンフォードで普段どんなふうに働いているかを例にお話ししてみたい。

ほかの人と比べたことはないけれど、おそらくアメリカの経済学者、少なくとも経済理論研究者の平均的な仕事内容からは、そんなに外れていないように思う。

この業界に就職することを考えている人(読んでくれているのかしら?)や、教育およびその関連ビジネスに携わる方、そうでなくてもこの業界がどんなふうなのか純粋に興味をお持ちの方(がもしいれば)には、何かしらの参考になるかもしれない。

大学教員としての仕事には、教育、研究、それからさまざまな事務があり、これらの比重はポジションの性格や所属する大学の性質によっても違っている。

まずはポジションについて。Lecturer (講師)などの教育専門のポジションでは当然、教育が多くて、Professor (教授)だとかその亜種であるAssistant Professor (助教)、 Associate Professor (准教授)になると、どちらかといえば研究の比重が高くなる(※)。僕は今、Associate Professorなので、研究の比率のほうが、ちょっと高い。

※ただし国によって同じ肩書でも職務内容がかなり違ったりする。たとえばイギリスでLecturerと言うと、アメリカのAssistant Professorと大体同じで研究中心の職種だったりするようで、ややこしい。

次に大学の性質だが、大学には教育中心の大学と研究を重視する大学とがある。スタンフォードは両方やるけれども、どちらかというと研究のウェイトが高い大学だ。

つまり僕は今、研究重視の大学に所属し、研究比率が高めのポジションにあるということになる。とはいえ、教育には研究とはまた違った意味で力を入れて取り組んでいる。大学教員の仕事のうち、読者の皆さんにとって身近に感じられるのも、教育なのではないだろうか? というわけで今回は、特にこの教育について書いていきたい。

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