新日鉄住金、事業再編で自動車向け拍車 日鉄住金鋼管が誕生、鋼板に続き大攻勢

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自動車各社の現地調達要請に対応

自動車向けに使われる素材としてはもちろん「鋼板」が多い。新日鉄住金はこの自動車用鋼板で世界最強を誇るだけに、海外展開も積極果敢だ。この8月にメキシコで、10月にはタイで、来年1月にはインドで自動車用鋼板の現地法人が稼働する。

ただ、自動車用の鋼管でも海外の現地生産が急務だ。日系自動車メーカーの海外生産シフトが続いていることから、材料の現地調達要請は強かった。特に鋼管は中が空洞であることから、長距離輸送では大量の空気を運ぶことになり効率が悪い。現地化が真っ先に求められる製品だ。一方で、自動車の軽量化の流れが進むなかで、中が空洞である鋼管の軽さは強みとなり、これまで使われなかった部位にも使われるようになるなど、自動車関連の需要は増えていた。

新会社の日鉄住金鋼管では、「機動性を発揮し、お客様のグローバル戦略に応え、満足を得る体制を強化していきたい」と、新社長就任予定の中西廉平・住友鋼管社長は意気込む。

メキシコ現法であるニッポン・スチール・パイプ・メキシコも6月に稼働した

新日鉄住金のグループではこの6月、メキシコのシラオ市で月産2000トンの自動車用鋼管の現地法人が始動した。現地への新規進出や能力増強が続く日系自動車メーカーに供給を始める。こちらは新日鉄住金本体が55%、SPT&SCインベストメント(住友鋼管75%、住友商事25%出資)が25%、日本の大手鉄鋼商社であるメタルワンが20%出資している。この複雑な出資比率も、今回誕生する日鉄住金鋼管経由に一本化される。

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