地方の産業は「中抜き」すれば生き返るか? チーム制で作る、新しい「6次産業」

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第1産業が食品加工・流通販売にも展開する「6次産業」は国も推し進めたいらしく、補助金を用意している。ただ、実際は忙しい漁師が自ら魚を加工して、プロモーションを展開して販売することは極めて難しい。

そのため理想は、加工や販売も行い、漁師の思いをきちんと伝えてくれる「魚関係者チーム」を作り、“6次産業化”を目指すのがいいはずだと僕らは思い始めていった。

昔から業界を支えてきた人たちを省くのではなくて、漁師、加工業者、廻船問屋、流通業者などに従来の役割でかかわり、活躍してもらい、プロモーションの力、ブランドの力で今まで以上の儲けが出るような仕組みを作る。

三陸フィッシャーマンズ・プロジェクトではぜひそれを目指したいと思っている。だから最近は、漁師や加工業者などにも声をかけて、勉強会を実施したり、協力してくれる飲食店を探したりと精力的に活動中だ。

ほかの地域からもパワーを得る

チーム制を東北で導入し、うまくいっている例はほかにもある。

ネット黎明期からオンラインでメンズファッションを展開している「レイダース」の鈴木孝宗さんの雑貨ブランドだ。名前は「hiyuca(ヒユカ)」。

鈴木さんは、以前からアパレルや小売りの未来を真剣に考えていた人だ。近頃、ショップを介さないブランドの直売が増える中にあって、自分たちもプライベートブランドを持つなど、何か新しいアクションを起こさないと生き残れない時代になってきた。

レイダースというショップの鈴木さんが始めた「hiyuca(ヒユカ)」。写真は1万3800円といいお値段にも関わらず人気のトートバッグ

そのため、東北やそのほかの地方の伝統や素材、職人の技術を組み合わせて、ひとつのブランドを作りたいと鈴木さんは語っていた。

鈴木さんは、まずヒユカの構想をまとめてロゴを作り、地元の三陸沿岸部や被災地の企業とのコラボで第1号の製品を作りたいと言っていた。

そこで僕が紹介したのが、復興デパートメントの関係で知り合った、帆布を縫製する気仙沼のカバンメーカー・マストさんだ。さらに、女川の若き革職人・マッドカウズさん、内職支援団体・リアスクラフトさんがハンドル部分を、石巻のクリームユナイテッドさんがプリント部分を担当して「Hiyucaクロストートバッグ」が完成した。

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