地方の産業は「中抜き」すれば生き返るか? チーム制で作る、新しい「6次産業」

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以前、大騒動を引き起こしたそんな大事なことも、須永(浩一・復興支援室長)も僕も津田さんから教えてもらった。

僕らは石巻に来るまで、漁業の構造自体、まったく知らなかった。

今でもわかり切っているとは言えないが、「魚が漁師から消費者に届くまで」たくさんの仲介が入ることにビックリした。魚屋、スーパー、魚市場くらいの認識の人も多いかもしれないが、実際は、その間に3~4階層の仲介者が入ることも珍しくない。とにかく登場人物がたくさんいる。

中抜きでは到底成り立たない、漁業という世界

「間の人を抜いてコストを削減して、その漁業は100年続けられる?」

津田さんの忠告はぐっときた。結局2、3年しか続かなくて、やっぱり元に戻そうとしても、その漁師は業界から浮いてしまうだろうと。

たとえば、魚業界には「廻船(かいせん)問屋」というものが江戸時代から存在する。船が港に入るとき、漁師さんの宿の手配、魚市場や港とのやり取りの仲介などの世話をする“港コーディネーター”といえる人たちだ。

三陸フィッシャーマンズ・プロジェクトを始める際、オイシックスから紹介されたのが、この廻船問屋を昔から生業にしてきた人たちだった。

震災後、彼らは壊滅状態にあった女川で困り果てていた漁師や魚市場のために、「海の民」という組織を急きょ作り、従来の問屋の仕事以外に販売や営業なども行ってきた。

彼らや周囲の人と親しくなり、その活躍を知れば知るほど「こういう人たちがいなくなったら、漁業は成り立たないだろうな」としみじみ感じる。

1次生産者の思いを届ける流通の仕組み?

では、これからの漁業はどういう形がいいか。IT企業であるヤフーは漁業において、中抜きではない何ができるだろうか。

僕らは魚屋さんや仲介業者さんなどさまざまなスタンスの人に会って話を伺い、できるだけ多くの人がハッピーになる漁業の在り方を考えていった。

漁師の思いやこだわりは、仲介がないほうが消費者にダイレクトに届くように思うかもしれないが、実際は継続性や組織力、リソースが足りなくなる。

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