ヤフー社員が、“海の男”になったワケ

商品、というより、“漁師”をプロデュース?

「このちょっとマヌケな顔の魚はなんですか?」

「これ、ウマヅラ。ともあえにすっと、すんげぇうめぇんだよ。あとで食わせてやっから」

まだ夜が明けきらぬ朝5時。僕たちは青い海のど真ん中にいる。

今朝も船の上で漁師さんに、海から揚げた瞬間の、甲板でぴちぴち動いている魚について教えてもらった。ときにはとれたてでプルプルの生ガキを渡され、その場で味わうこともある。

もちろん、ただごちそうになりに行っただけではない。海の男たちの仕事ぶりを撮影したり、新鮮な魚介類の説明を受けたり観察したり食べたりして、それをヤフーが展開する「復興デパートメント」などに記事としてアップしたり、という目的があってのことだ。

自分で日々、商品が生まれる現場に出向き、その様子を取材する――。こんな生活は、東京本社でYahoo!ショッピングやヤフオク!のプロモーションを担当していた時代は、まったく考えられなかったことだ。

そもそも、僕は泳げないし、実は大人になるまで、魚介類が嫌いでほとんど食べられなかった。とくに生の貝類は、子供の頃にかいだ生臭い記憶から、最近までいっさい受け付けられなかった。そんな僕が石巻に来てから生の魚介類を恐る恐る口にするようになり、今ではカキやらウニやらホヤを率先して食べているのだから自分でも驚く。

漁から上がった後は、みんなでご飯を食べる。前回紹介したメディアの撮影班のみなさんが、漁師さんたちとご飯を食べる僕を見て言っていた。「こんなにおいしそうに朝ご飯を食べる人を久しぶりに見た」と。だってめちゃめちゃおいしいんですもん。

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