「石巻2.0」が挑む、復興3年目のまちづくり 死者3000人超、最大被災地・石巻で奮闘する集団
東日本大震災以降、被災地では、若者を中心とした「新しい取り組み」が数多く生まれている。報道などではひとまとめに「復興支援ボランティア」と表現されることが多いが、その枠からはみ出て、ユニークな活動を展開する団体もある。今回は、そうした団体の代表格、宮城県石巻市の町づくり集団である、「石巻2.0」をご紹介したい。
死者数3000人を超えた被災地・石巻市
石巻市は、東日本大震災でもっとも大きな人的被害を被った地域である。宮城県がまとめた被害状況の資料によると、震災による死者の数は直接死だけで3000人を超え、関連死、行方不明者を含めると約4000人にも及ぶ。住宅の被害についても、全壊2万棟、半壊約1万棟、一部破損2万棟となっている。被災前の世帯数が約6万世帯であったことを考えれば、被害の大きさもわかるだろう。たびたび報道されているように、市の中心部から15キロメートル以上離れた大川小学校では、70名もの児童の命が奪われた。
北上川河口に近い旧市街地(昔から開けていた場所。現在は郊外に大型SCなどが林立したため、やや閑散としている)でも被害は甚大で、震災後何カ月かは、地上に乗り上げた船や倒れた電柱、窓に突っ込んでぶら下がった車、などは珍しくなかった。2011年の夏には、市全体に悪臭が立ちこめ、ハエが大量発生したものだ。
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