震災後ボランティアの人たちと交流して、外から来る人に慣れていたこともあり、こんな見た目で、髪型も海産物(?)みたいなこともあってか、漁師さんたちは比較的、僕のことを受け入れてくれた。
魚の話が止まらない
そうした地道な取り組みも功を奏し、第2弾商品のカキは発売当初から大ヒット商品となった。
現在、復興デパートメント内でカキは「渡波産」「牧浜産」「狐崎産」というように、浜ごとに名称とその特色を紹介している。カキは、商品カテゴリとしては最も売れる商品になった。
漁師さんと仲良くなったり、さまざまな水産業の人のお話しを聞けば聞くほど、いかに自分たちの考えや知識が表層的なものだったかということに気づかされる。
漁師さんの話、海産物の話、漁業の話。最近の僕はこれらの話をしだすと止まらなくなり、東京のメンバーにも面倒くさがられる。
「うお座なのに泳げないし、魚の目も見られない」というネガティブキャッチフレーズをもっていた僕がこんな風になったのは、漁師さんが働く現場を初めて見た瞬間から始まった。
日本人は魚を食べて生きてきたのだ。つまり、漁師さんや漁業関係者に生かしてもらってきたのだ。そんな人たちがたくさん被災した。震災前から課題を抱えていた。僕が知った感動を、多くの人に知ってもらうことで、三陸沿岸部復興や漁業の課題解決に少しでもつながってほしい。
だから冒頭のように、僕は漁師さんの船に乗る。そして現場からいろいろ学ぶのだ。東京のみんなに「自分だけうまいもんばっか食いやがって」と言われようが、これは使命なのだ! もぐもぐ。
(構成:渡部由美子)
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