地方の産業は「中抜き」すれば生き返るか? チーム制で作る、新しい「6次産業」

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もちろん、従来のプロモーションで打ち出していた“安くてハッピー”というワクワクするような世界観も魅力的だし不可欠だと思っている。現に僕は、今でも100均やファーストフード店に喜んで足を運んでいる。

ただ、そういう仕組みを知ったうえで、「安くてハッピーと適正価格、どっちもイイネ」とユーザーが選べる余地を作りたいと思っている。2つのビジネスモデルを確立させて共存させなくては、と。

「あの人たちがいないと、業界は壊れちゃう」

「安くしたいなら、仲介業者を抜いちゃえばいいじゃない」

そう思う人もいるかもしれない。IT系のコンサルタントもよくそんなことを軽いノリで提案する。でも、それで構造上の問題は解決するのだろうか。

1時間の面談で何万円、何十万円の高収入を得ているコンサルタントが着ている立派なスーツ。それは、ひと針1円にも満たない額で請け負う内職のオジサン、オバサンがコツコツ縫ったものかもしれない。

そんなコツコツ系の内職も職人系の仕事も最近ではめっきり減ってしまい、言われるがまま安く単価が抑えられている現状がある。漁師だってそうだ。今後もそういう人たちを安く買い叩いたり、仲介業者を消したりすれば、それで万事うまくいくだろうか。

「あの人たちが居ないと、業界は壊れちゃうよ」

魚業界やその構造に詳しい人ほど、コツコツ仕事している人、仲介業者の存在意義を熟知していて、そうアドバイスをくれる。

東北の“おさかな王子”として脚光を浴びた津田鮮魚店の2代目・津田祐樹さんも同じように言っていた。彼は魚一筋35年の津田鮮魚店の長男坊で「三陸おさかな倶楽部」を仙台に開店して活躍している(「もう年とったから、おさかなオジサンでいいよ」と言っているが)。

津田さんもお兄さん的存在の地元企業の人、業界の元締め的な存在の人など、あらゆるキーパーソンを僕に紹介してくれた恩人だ。

「“浜ごと”に漁業って違うんだよ」

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