仕事のできない人は「段取り」がわかってない 仕事の速度を上げるのでなく先々を見通そう

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1分のすき間時間を有効活用する

電車やバスを待っている時間や移動時間、エレベーターを待っている時間、信号待ちの時間……。1日のなかで「何もしていない時間」や「気づいたらスマホでゲームやネットサーフィンをしている時間」は、実は非常に多くあります。パナソニックの調査によると、1日のすき間時間は平均で1時間9分もあるそうです。今ではスマホやタブレットを使えば大抵のことはできてしまいます。取引先へのメールや電話、情報収集やスケジュール管理……など、枚挙にいとまがないほどです。たとえ1分でも、ムダにせずに活用できると、1日の生産性は一気に高まります。ぜひすき間時間を活用しましょう。

アポイントは先手必勝

予定を組む際に、注意しておきたいのが「相手に合わせすぎないこと」です。面会の予定を組む際は、こちらから候補日の日時を3つ程度指定します。

もちろん、相手が多忙を極めるVIPの場合などは、相手に予定を合わせることも必要です。しかし、日常の打合せや商用のケースの場合は、こちらから日時の候補日を挙げてしまって問題ありません。その際には必ず「感謝」と「恐縮」の気持ちを伝えること。それを怠らなければ、決して無礼に思われてしまうことはありません。

任せられることは、誰かにお願いする

『残業ゼロの人の段取りのキホン』(すばる舎)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

仕事がたまってしまう原因に、「何でも自分でやる」と決め込んでいる場合があります。それについては「自分がやったほうが速い」「説明が面倒」といったパターンと「お願いするのは申し訳ない」「遠慮してしまう」というパターンのふたつに分けられます。

しかし、仕事の多くは「チームでやるもの」です。「自分でやったほうが速い」と考えていては、チーム全体の能力向上につながりません。また、「遠慮してしまう」と言いますが、他のメンバーの多くは、「もっと気軽に頼ってほしい」と思っているものです。誤解を恐れずに言うと、「相手に任せられない」というのは「嫁姑問題」にも似た構図です。それが蔓延して職場不全を起こしてしまう前に、ぜひ人に任せることに積極的にトライしてみましょう。

今後もますます、残業を極力減らして生産性を上げるという働き方になることが予想されます。若手社員はもちろん、これまで「残業は美徳」と考えてきたベテラン社員にも、働き方改革が求められるようになってきます。

とはいえ、いきなり定時退社を実現することは厳しいかもしれません。まずは昨日よりも少しでも早く帰ることから目指してみるのがオススメです。たとえたった10分でも、毎日「昨日より10分早く」を繰り返していくうちに、いつの間にか大きな時間短縮につながっていきます。

伊庭 正康 らしさラボ代表

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いば まさやす / Masayasu Iba

1991年リクルートグループ入社。営業職としては致命的な人見知りを4万件を超える訪問活動を通して克服。その後はプレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰4回、累計40回以上の社内表彰を受ける。営業部長、フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。2011年、研修会社らしさラボを設立。リクルートで学んだ「圧倒的な当事者意識」を持つことや「短時間で成果を出す方法」などをメインテーマに、リーディングカンパニーを中心に年間200回を超えるセッション(営業研修、営業リーダー研修、コーチング、講演)を行い、リピート率は9割を超えている。

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