早稲田実業初等部を選んだお受験ママの本音 「生活力」も問われる点が慶應幼稚舎と違う

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――早稲田初等部に合格するには、どんな資質が必要なのでしょう?

取材班が気を取り直して尋ねたその質問に、聡美さんはこう断言した。

「早稲田初等部が求めているのは、総合力です」

これまでの取材で、学校側が子どもたちに求める能力はそれぞれかなり異なることがわかった。

例えばインターナショナルスクールでは5歳でバイリンガルが最低条件であるし、都内有数のお嬢様学校・白百合学園ではわきまえられることが肝要とされている。

早稲田初等部と双璧をなす慶應義塾幼稚舎では考査にペーパーテストの類はなく、運動、絵画、行動観察の3ポイントで判断される。

その基準からは、学力云々よりも地頭だったり、センス、感受性を重視していることが窺える。

一方で早稲田初等部は、①ペーパーテスト ②運動 ③行動観察 ④生活習慣 ⑤巧緻性 ⑥絵画 そのすべての項目から出題されるのだという。

「6項目から出題されるのは、私の知る限り早稲田初等部だけ。そして特に④生活習慣の項目があるのが特徴的です。早稲田初等部では、総合力が大切であるとともに、“生活力”も重視されているように思います」

生活力試験で問われること

――生活力とは、例えば試験でどのように試されるのですか?

「きれいに片付けてください」と発問されたら…(写真:東京カレンダー編集部)

小学校受験経験のない取材班には、想像もできない。

年によって異なりますが……と、聡美さんは具体例を教えてくれた。

「例えば雑巾、水を張った洗面器、ゴミ箱、ティッシュ、ペーパータオルなどが用意されている状態で、机の中央に牛乳が溢れている。そこで、“綺麗に片付けてください”と発問されるわけです」

なるほど。おそらく、ティッシュやペーパータオルで牛乳を拭き取った子どもはマイナス採点を食らうのだろう。

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