日本は、「ほめる」ことでもっと元気になれる 50万人が劇的に変わり繁盛店が続出

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スタンプ2種(筆者撮影)

筆者もかつて、暗いニュースばかり取り上げるマスコミが嫌になって「日本一明るい経済新聞」を発刊しました。今も、元気な中小企業さんの記事には「あっぱれ!」「ようやった」のスタンプを押しています。微力ながら、原さんと同じ「ほめる」活動を展開しているわけです。

原さんは、年に200以上の講演を行って「ほめ育」活動を推進。「ほめシート」「感謝シート」「行動目標チェックリスト」といった具体的ツールを使って現場を指導し、120社以上の業績アップに貢献しました。びっくりドンキー、とりのごん助、関塾といった有名企業も「ほめ育」を人材育成に取り入れた結果、チームワークの向上、モチベーションのアップ、そして業績進展につながりました。まさに従業員は「ほめられ」たかったのです。

取材先のテニススクールも「ほめ育」で定着率向上

原社長とのお話の中で、筆者が以前取材していたテニススクールの名前が出てきたので、驚きました。兵庫県姫路市にある「ノアインドアステージ」という会社です。関東地区を含めて23の屋内テニス施設を運営。生徒数2万3000人と業界トップクラスのスクールです。

ノアインドアステージ(右が大西社長、筆者撮影)

2012年、筆者が取材時の大西雅之社長の言葉が印象的でした。

「当初は順調でしたが、あるときからスタッフが離れてしまい、行き詰まりました」。おカネで人は動かせない、と気づき、成果主義を反省。スタッフ一人ひとりの気持ちを大切にする働きがいのある会社へと軌道修正しました。その試みの1つが「100回帳」。駅前清掃、お墓参り、社内研修など、それぞれにハンコの数が決められ、100個貯めると3万円分の旅行券がもらえる、という楽しい仕組みです。スタッフの提案も積極的に取り入れ、生徒さん向け無料飲料の提供なども実現しました。スタッフのやる気を引き出すための努力が実り、取材当時、3年間で生徒数4割増の勢いでした。

それから数年後、同スクールの大西社長が出会ったのが、スパイラルアップの「ほめ育実践セミナー」でした。

「テニススクールという性格上、商品はコーチやスタッフ、その人自身だと思います。スタッフのいきいき感やモチベーションがそのままお客様に伝わるので、従業員を大事にし、より良い環境をつくるのが私たちの仕事です。『ほめ育』の話を聞いて、これを実践したら絶対にプラスになる、と思いました」

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