創業会長が介助犬の育成に乗り出したワケ

天皇・皇后のご視察で人生観が変わった

レザック創業者の柳本忠二会長。同社の応接室には壁一面に表彰状や感謝状が飾られている。(筆者撮影)

なにわの中小企業の経営者には、ビックリするような方がいます。先日取材でお会いした柳本忠二会長もそんなお一人でした。

実は会長、今般、退位特別法案が決まった天皇陛下と、1時間と5分ご一緒したことがあります。この中途半端な「5分」のエピソードも含め、詳しい経緯は後段で述べます。まずはどんな会社か、ご紹介しましょう。

中学を卒業して八百屋に住み込み

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会社の名前はレザック、大阪府八尾市にある会社です。レーザー・ウォータージェット加工機やCADシステムを販売しています。応接室に入ると、そこにはたくさんの特許登録証が飾られていました。その数ざっと80。特許はすべて、柳本会長が取得したそうです。

さぞかし立派な大学の工学部卒かと思ったら、なんと中学校卒でした。卒業してすぐに和歌山から大阪に出て、八百屋さんに住み込み、2年間働きました。朝6時から八百屋、夕方からは果物屋に変わって夜中2時まで。店の大将が厳しい人で、「怒られる前に全神経を張り詰めて、次に何をするかを考えながら仕事をしていました」とのこと。でも、その厳しさが今の自分のもとになっているかもしれない、と振り返ります。

その後18歳で仏壇を作っている会社に就職。厳しい職人の世界でしたが、ここでも頑張って「ど素人だったんですが、半年で技術を学ばせてもらいました」。

そして19歳の時、現在の会社のもととなる「菱屋」を創業します。東京オリンピックの年でした。抜き型を製造する総合メーカーとして従業員の技術力アップに努めました。でも、ようやく技術力をつけさせたと思った従業員は、独立してしまいます。そこで、熟練しなくても製造が可能なように、自動機械設備を作ろうと考えました。

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