ほめ方の本質を知らない人が損していること 「結果」だけに言及しても相手の心は動かない

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
子どもに対しても大人に対しても、ほめ方の本質は同じです(写真:xiangtao / PIXTA)

私の仕事は、夫婦、親子、友人、職場などの人間関係をよくするようなほめ言葉を教えることです。日本全国各地、ときには世界を飛び回って、「ほめ言葉の大切さ」を万単位の人に伝えてきました。

「結果」ではなく「過程」をほめる

とはいえ、ただほめればいいというものではありません。相手の心を動かす技術があります。たとえば、子どもがテストで100点を取ったとしましょう。「100点を取って、えらいね」こんなほめ言葉をかけたことはありませんか。でも、実はこれはよくない「ほめ」なのです。では、どう言えばいいのか。

「あのとき、テレビを見たいのをガマンしていたよね」

「いつもより早起きしてお勉強していたよね」

「お友達と遊びたいのを耐えてがんばっていたよね」

こう言えば、あなたの言葉は子どもの心にしっかり届きます。そして、できるだけ具体的に、がんばったときのシーンが相手の心に浮かんで「あの時のことだ‼」とわかるくらい、日時を入れるなどして詳しく伝えてあげましょう。

拙著『たった一言で人生が変わる ほめ言葉の魔法』でも詳しく解説していますが、大切なのは、「結果」をほめるのではなく、「行動や努力」、そして「人間性」をほめる、という点です。確かに、テストで100点を取るのはすごいことです。けれど、もしも次のテストの点数が80点だったらどうでしょう。同じように努力しても、いい成績のときもあれば、思ったほど点数が取れないときもあるはずです。

子どもの成績がよくないとき、ほめるに値しないのでしょうか。そんなことはありません。努力をしたこと、一生懸命がんばったこと、その「過程」をほめてあげることが大事なのです。人生は小さながんばり、小さな決断の積み重ねでできています。すばらしいのは「100点を取った」ことよりもむしろ、「100点を取るための行動を選んだ」ことにあるのです。

次ページ理想的なほめ言葉
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事