ほめ方の本質を知らない人が損していること 「結果」だけに言及しても相手の心は動かない

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テストの点数だけをほめることは、子どもの価値をほんとうに認めたことにはなりません。どんな人でも人間性をほめられたいものです。それは、外見や成績といった表面的なことではなく、ひたむきさや誠実さ、努力する姿勢といった、その人の本質を肯定することなのです。これには子どもも大人も関係ありません。

わたしが大事にしているのが「自尊心の3大欲求」です。アメリカの心理学者ウィル・シュッツ博士が提唱した「自己重要感」「自己有能感」「自己好感」の3つです。ほめ言葉によって、これが満たされるのです。

自己重要感は「自分を大事な存在として認めてほしい」という欲求です。「ありがとう」と言われたときに満たされます。自己有能感は「的確な意思決定と行動ができるようになりたい」という欲求で、「すごいね」「成長したね」と言われたときに満たされます。最後の自己好感は「人に好かれたい」という欲求です。「好きだよ」「好感が持てる」などと言われたときに満たされるものです。

つまり、理想的なほめ言葉は、次のような言葉が自然にあふれ出てくることです。

「ありがとう」

「すごいね」

「成長したね」

「好き!」

「好感が持てる」

たとえば、「きちんとあいさつできていたね、すごいね!」と、ほめられた子どもは自尊心が満たされます。それだけではなく、もっと認められたい、好感を持たれたいと願うようになります。

「次はもっと大きな声であいさつをしてみよう」

「もう少し、きちんとした姿勢のほうがいいかな?」

「あの人にも、あいさつしてみよう」

このように、思考がどんどんプラスの方向に進んでいきます。たった一言のほめ言葉だとしても、相手の自尊心を満たしてあげられれば、その人の心を動かせるのです。

お世辞と「ほめ言葉」はまったくの別物

「そのネクタイ、素敵ですね」

このほめ言葉を、あなたはどう思いますか。

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