プロ野球交流戦は球団経営の「お荷物」なのか 毎年のように「交流戦廃止論」が浮上するが…

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6月18日に行われたセ・パ交流戦でソフトバンクは広島に快勝。史上初の3年連続で交流戦の最高勝率チームとなり、ナインが大喜びした(写真:共同通信社)

5月30日から6月19日までの日程で開催され、ファンが熱い声援を送ったプロ野球のセ・パ交流戦。パ・リーグ球団の56勝に対してセ・リーグ球団は51勝、引き分け1で終わり、今年もパ・リーグが勝利した。ただ、それでも昨年の60勝対47勝、引き分け1よりは、ずいぶんセ・リーグが巻き返した。パ・リーグで昨年の覇者である日本ハムと、昨年3位のロッテが予想外に低迷したことが大きかった。

昨年の交流戦ではセとパの実力の違いが素人目にも明らかなほどだったが、今年は様相が違っていた。巨人とヤクルトがせっせと負けを積み上げたのであって、広島は最後まで王者ソフトバンクと首位を争うなど、セの他4チームは健闘した。

今年もどこからか出てきた「交流戦廃止論」

巨人が歴史的連敗記録(最終的に6月8日の西武戦で敗れ、球団ワーストの13連敗を喫した)に向かってまっしぐらだった交流戦中盤、案の定出てきたのが「交流戦不要論」「交流戦廃止論」だった。セ・リーグ球団担当のスポーツ記者あたりから主に発信されたもようだったが、広島、阪神の快進撃の前に、いつの間にか埋もれていった。

毎年、交流戦が始まるたびに顔を出す、この「交流戦不要論」。その論拠として、もともと交流戦は人気がないパの救済のためにセが"お付き合い"で始めたにすぎないものだ、という説をいまだに耳にする。今となっては、パ・リーグの球団改革が一定の成果を上げ、セ・リーグがわざわざ救済する必要はなくなったのだから、「『役割を終えた交流戦は廃止すべき』という声が出ている」というのだ。つまり、セ・リーグ球団にとって交流戦は、経営の"お荷物"でしかないという論法だ。

だが、この説の真偽のほどは定かではない。第一、ファンが交流戦をどう思っているのかは、なぜ聞いてくれないのだろうかと思うのだ。

首都圏に住んでいれば、どちらのリーグの球団でも観戦することは、それほど難しくない。セ・リーグ球団なら東京ドーム、神宮球場、横浜スタジアムの3カ所で見られるし、パ・リーグ球団も少々遠いが西武ドーム(現メットライフドーム)やZOZOマリンスタジアムに行けば見られる。ゲーム数は少ないものの、日本ハムも東京ドームで主催ゲームを開催している。しかし、ひとたび首都圏を離れると、事情は一変してしまう。「いろんなチームを観戦したいのに、見られない」と嘆く地方在住のファンは多い。

ファンは、チームのファンであるとともにプロ野球のファンだ。好プレーならば、どのチームの選手のものであっても見てみたい。交流戦は普段見る機会がないリーグの選手を見られる貴重な機会であることは間違いない。

それでも交流戦がセ・リーグ各球団の経営にとってお荷物だというのなら、廃止論が出てきても致し方ない。

そこで、交流戦の入場者数はリーグ戦のそれと比べて著しく劣るのかを調べてみた。廃止論者はセの各球団が一方的に損をしているような論調を展開している。本当にそうなのかを、2013年シーズンからの5年間で調べてみた。

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