バスケBリーグ、「非常識人事」は成功するか 緊急事態!前代未聞の人選で現状打破を狙う

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
2年目を迎えるBリーグ、島田氏(右)はリーグのビジネス面を強化できるのか(撮影:尾形文繁)

リーグの緊急事態に、もはやなりふり構ってはいられなかった。

5月31日、B.LEAGUE(Bリーグ)を運営するジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL)は臨時会員総会を開催。Bリーグに参加するチームのひとつ、千葉ジェッツ代表取締役の島田慎二氏が、千葉ジェッツ代表のままJPBLの副理事長に就任すると発表した。9月末の定時会員総会で正式に就任するが「事実上、今日をもって副理事長として動いてもらう」(JPBLの現チェアマンである大河正明理事長)。

対外的な活動は大河理事長、JPBLの運営ヘッドは島田氏というのが大まかな役割分担だが、大河理事長は「島田氏と議論しながら進めていく」と島田氏とのツートップ体制であることを明言。島田氏は「平日の3日はJPBL、2日は千葉ジェッツのために働く」としている。

川淵三郎氏「リーグの発展を最優先すべきだ」

この人事に対し、臨時会員総会では「クラブ代表のまま副理事長に就任するのは非常識」「兼務はおかしい」との声が相次いだ。プロ野球に例えれば、巨人の高橋由伸監督が日本野球機構(NPB)のトップを務めるようなもの。「自分のチームに有利な判断を下すのではないか」と周囲に疑いの目で見られても仕方がない状態といえる。

だが、JPBLの初代チェアマン(=理事長)で役員候補者選考委員会の川淵三郎委員長は「自分のクラブに有利になるようにするのではないかと心配する人もいるが、島田氏はそんなケチなことをする人ではない。そんな人なら私は選ばない」と真っ向から否定する。

「島田氏には2年前、Bリーグが始まる前からチェアマンをやってくれと口説いてきたが、『千葉ジェッツの立て直しが先だ』と断られた。今回、『千葉ジェッツ代表を辞めないで(JPBLで)働けるのなら考えてもいい』と島田氏が言ってくれた。世間の常識がどうこうというのは、組織の健全な発展が確認できた時点でいえばいい。(JPBLが)どうやったら右肩上がりで発展していけるのか。それを最優先すべきだ」と川淵氏は反対意見を押さえつけた。

次ページ「ハードルを高くしてガンガン行けよ」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事