観客激増の横浜DeNAが乗り越えたい課題 横浜DeNAベイスターズ・岡村新社長に聞く
横浜DeNAは、ようやくスタート台に立ったところ
――11年ぶりにチームがAクラス入りしました。池田前社長時代の5年間でかなりの改革が実行され、ホームゲームの座席稼働率も9割を超えました。今期は黒字化の見通しですね。
ようやくスタート台に立ったところだと思っています。球団は「横浜ベイスターズ」なのであって、DeNAはお預かりしている立場です。横浜スタジアムも地域からの預かりものです。著しく公共性が高く、地域のアイデンティティそのものです。
この5年間の球団、球場双方のスタッフの努力は、チームとファンをつなぐパイプを太く、強くしてくれたと思います。横浜市民の方の中で、ベイスターズの魅力を再発見してくださっている方は沢山いると思いますが、この関係を継続していくには、さらなる努力が必要です。
たとえばチケットはある程度の水準に来ていますが、放映権、グッズ、飲食、スポンサー契約。どれもまだまだ追求している途上です。特にスタジアムの物理的制約から受ける飲食・グッズなどの販売の機会損失は莫大です。
――確かにハマスタ(横浜スタジアム)の外野は構造上、崎陽軒(シューマイやカレーなど)のショップが1軒と、ポップコーンスタンドがあるだけですね。外野と内野が分断されていて、外野のチケットでは内野のコンコースに入れません。そのため、充実している内野のショップを外野の観客は利用できない状態です。
ご指摘の通りです。具体的な計画はこれからですが、回遊性を確保して、わくわくする空間を作り出したいですね。強いチームでいいゲームを見てもらい、感動してもらうだけじゃなく、スタジアムであらゆるおもてなしをする。いいゲーム、感動するゲームと、スタジアムでのおもてなしは車の両輪です。
池田前社長時代に打ち出した、(プロ野球を通じたまちづくりなどを目指す)コミュニティボールパーク構想を実現するためにやるべきことは、まだまだ山積しています。
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