観客激増の横浜DeNAが乗り越えたい課題 横浜DeNAベイスターズ・岡村新社長に聞く
人権問題なども日常的な課題としてありました。当時私は31歳。人口が12万人とはいえ市の行政の責任者の一人として最前線に立つわけですから、かなり背伸びをしなければなりませんでしたが、その分ものすごく鍛えられたと思います。
――その後は官邸でも仕事をしました。
第一次安倍内閣の世耕補佐官のスタッフです。世耕補佐官室所属の職員はたった3人でした。ご存知の通り、次々と問題が起きまして、その対処に追われた1年強でしたが、度胸はつきましたね。地方行政の最前線と、国政の中枢の両方を経験させてもらったことは、本当に貴重な経験だったと思います。
――今年4月にDeNA入社とともにスタジアムの社長に就任、10月には球団社長と兼務になりました。これから先、横浜市だけでなく五輪組織委員会との交渉ごとは激増しそうです。このタイミングで地方自治の最前線と国政の中枢での勤務経験がある岡村さんが入社した、ということは、行政との交渉役としてスカウトされたのかとも思えます。
いえいえ、全然そういうことではないです。いま、私の経験が最も活きるポストはハマスタの社長だろうという判断はあったでしょうけれど。
――座席稼働率が9割を超えてきていることは、チケットが買えないファンが増えてきていることでもあります。そうなるとがぜん、重要な意味を持ってくるのは放送ですよね。2016年8月からは、インターネットテレビの「DAZN(ダ・ゾーン)」で、ベイスターズ主催の全ゲームが見られるようになりました
ベイスターズは現在、12球団中、最も多くの放送チャネルを持っています。BSとCSはTBS、インターネットチャネルではスポナビ、ニコ動、DeNAのショールームの3媒体に、シーズン途中からダ・ゾーンが加わりました。
――インターネット放送は、全国どこでも見られることが強みです。今後も増やしていかれますか。
そうですね。何が視聴者にとっても球団にとってもハッピーなのか、多様な媒体を研究し、いろいろなものにチャレンジしていきたいと思っています。
――横浜スタジアムの正面にあるビアガーデンも2016年シーズンは大盛況でした。LEDの大型ビジョンを常設し、ゲームを中継していたので、ナイターのために昼過ぎから場所取りのために並ぶ人たちも少なくありませんでした。チケットが買えなかった人に、パブリックビューイングで見せる仕組みも必要な時期に来ているのでは?
そうかもしれません。
――球場近くの日本大通り沿いに建つ歴史ある建物「ZAIM」はどう活用しますか。若手アーティストの支援拠点などに使われてきましたが、2015年に球団が横浜市によって活用事業者に選ばれていますね。
スポーツ関連のパイロット的拠点にしたいと考えています。ボールパークが発展して、球場周辺一帯をスポーツタウン化できたら、とかね。横浜にはそれだけのポテンシャルがあると思います。
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