観客激増の横浜DeNAが乗り越えたい課題

横浜DeNAベイスターズ・岡村新社長に聞く

人権問題なども日常的な課題としてありました。当時私は31歳。人口が12万人とはいえ市の行政の責任者の一人として最前線に立つわけですから、かなり背伸びをしなければなりませんでしたが、その分ものすごく鍛えられたと思います。

――その後は官邸でも仕事をしました。

第一次安倍内閣の世耕補佐官のスタッフです。世耕補佐官室所属の職員はたった3人でした。ご存知の通り、次々と問題が起きまして、その対処に追われた1年強でしたが、度胸はつきましたね。地方行政の最前線と、国政の中枢の両方を経験させてもらったことは、本当に貴重な経験だったと思います。

球団のホームグラウンドである横浜スタジアム。その権利関係は少しばかり複雑だ。横浜スタジアムの底地は財務省が所有し、上物は横浜市の所有、スタジアム創立当時から運営を行っているのが株式会社横浜スタジアム。その会社を昨年1月、TOB(株式公開買付け)で球団が取得した。
自治体所有で横浜公園内の中核施設という極めて公共性が高い属性に加え、道路を挟んで向かい側にある横浜市庁舎は、五輪開催2か月前の2020年6月に北仲通地区に移転する。市庁舎の跡地をどう利活用するかは横浜市にとって懸案事項になっている。
どのみち、周辺のまちづくりの青写真を描く上で、スタジアムが立地する横浜公園との連携は避けて通れない。しかも横浜スタジアムは五輪会場に決まり、今後五輪開催に向けて、収容人数を増やすなどの改修工事が必要になる。そのためには横浜公園の利用にかかわる市の条例改正なども必要になる。

 

――今年4月にDeNA入社とともにスタジアムの社長に就任、10月には球団社長と兼務になりました。これから先、横浜市だけでなく五輪組織委員会との交渉ごとは激増しそうです。このタイミングで地方自治の最前線と国政の中枢での勤務経験がある岡村さんが入社した、ということは、行政との交渉役としてスカウトされたのかとも思えます。

いえいえ、全然そういうことではないです。いま、私の経験が最も活きるポストはハマスタの社長だろうという判断はあったでしょうけれど。

 ――座席稼働率が9割を超えてきていることは、チケットが買えないファンが増えてきていることでもあります。そうなるとがぜん、重要な意味を持ってくるのは放送ですよね。2016年8月からは、インターネットテレビの「DAZN(ダ・ゾーン)」で、ベイスターズ主催の全ゲームが見られるようになりました

ベイスターズは現在、12球団中、最も多くの放送チャネルを持っています。BSとCSはTBS、インターネットチャネルではスポナビ、ニコ動、DeNAのショールームの3媒体に、シーズン途中からダ・ゾーンが加わりました。

――インターネット放送は、全国どこでも見られることが強みです。今後も増やしていかれますか。

そうですね。何が視聴者にとっても球団にとってもハッピーなのか、多様な媒体を研究し、いろいろなものにチャレンジしていきたいと思っています。

――横浜スタジアムの正面にあるビアガーデンも2016年シーズンは大盛況でした。LEDの大型ビジョンを常設し、ゲームを中継していたので、ナイターのために昼過ぎから場所取りのために並ぶ人たちも少なくありませんでした。チケットが買えなかった人に、パブリックビューイングで見せる仕組みも必要な時期に来ているのでは?

そうかもしれません。

――球場近くの日本大通り沿いに建つ歴史ある建物「ZAIM」はどう活用しますか。若手アーティストの支援拠点などに使われてきましたが、2015年に球団が横浜市によって活用事業者に選ばれていますね。

スポーツ関連のパイロット的拠点にしたいと考えています。ボールパークが発展して、球場周辺一帯をスポーツタウン化できたら、とかね。横浜にはそれだけのポテンシャルがあると思います。

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