イオン甲子園店、稼ぎ時に「突如閉店」のナゾ 野球ファンが殺到する繁盛店なのに…
プロ野球公式戦開幕を3日後に控えた今年3月28日、甲子園球場から阪神高速道路1本を隔てて、徒歩わずか1分の距離にあるイオン甲子園店が、2カ月後の5月末で閉店する予定だと、毎日新聞が大阪版で報じた。実は、このニュースにショックを受けた野球ファンが少なからずいた。
毎日新聞の記事は、前日に共同通信が配信したニュースを転載したものだった。記事によると閉店の理由は業績不振としており、この物件の賃料を得たり、使い方を決めたりできる信託受益権を三菱地所が取得しているが、閉店後の施設の活用法は未定という内容である。
その後、三菱地所には問い合わせが殺到。三菱地所は今年2月28日に信託受益権を取得したことと併せて、具体的なスケジュールや計画の詳細は未定ながら、今後この施設を一時閉館し、リニューアル工事を実施したうえで、新たな商業施設として再オープンする計画であることを公表した。
イオン甲子園店と野球ファンの関係
なぜ野球ファンはイオン甲子園店が閉店するということを知って、驚いたのか。それは、イオン甲子園店は甲子園球場に訪れる観客に、観戦中に食べる「観戦フード」と駐車場という2つの重要なアイテムを供給し、野球ファンに広く親しまれてきた店だからである。
球場の最寄り駅の阪神電鉄甲子園駅から球場までの道の右側に位置し、電車で来る人も車を使う人も問わず、多くの観戦客が立ち寄る。もともとはダイエーの店舗であり、かつてはダイエー全店の中で売上高トップを誇ってもいた。
甲子園で試合が開催される日となれば、地下2階の広大な食料品売り場が観戦フードを仕込む野球ファンでごった返す。店内には18台もレジがあるが、その全てに売り場の端にまで達する長蛇の列ができる。筆者の実体験では、精算までにおよそ40分程度、場合によっては1時間近くかかることも珍しくない。
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