しまむらは「衣料品フロア」の救世主になるか 売れすぎパンツの陰で進む出店立地改革

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2014年、西友の中に出店した「しまむら西友東陽町店」。現在、総合スーパーへの積極出店を進めている(記者撮影)

しまむらが大々的に売り出した機能性パンツの快進撃が続いている。昨年秋冬の「裏地あったかパンツ」の102万本のヒットを受け、今年の春夏商戦では従来より機能性を高めた「素肌涼やかデニム&パンツ」を展開。同社によれば、この2016年3月~8月に「デニム&パンツ」は94万本を売り切った。

「もう3年目で食傷気味だが、今年もやる」(野中正人社長)との宣言通り、同9月~2017年2月も「あったかパンツ」の販売計画135万本(前期比32.3%増)を見込んでいる。

業績は過去最高に

しまむらが10月3日に発表した2016年3~8月期(第2四半期)決算は、売上高2810億円(前年同期比5.8%増)、営業利益251億円(同40.6%増)と大幅な増収増益となった。

円高が進み仕入れコストが減少したことに加え、「素肌涼やかデニム&パンツ」など販売の主力となるコア商品を強化したことで、例年に比べて在庫処分が少なかったことも好調の要因となった。

同社はこれまで低価格衣料を武器に業績を伸ばしてきたが、2013年度、2014年度と2期連続で減益に沈んだことから方針を転換。これまでの、多品種少量生産による売り切れご免型から、売れ筋をコア商品と位置づけ、注力するビジネスモデルに転換しつつある。

秋冬商戦では「裏地あったかパンツ」の販売を135万本計画。「さらば 重ね履き」というキャッチフレーズのテレビCMを集中投下しており、認知度拡大と販売促進に力を注ぐ。コア商品の比率は上期で1割程度まで拡大しており、下期はさらに増やす予定だ。

品ぞろえ改革に脚光が当たるが、その陰では出店立地についても改革が進んでいる。グループの店舗数は2032店舗(2016年8月20日時点)、そのうち主力の「ファッションセンター しまむら」は1354店舗を占めている。

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