プロ野球交流戦は球団経営の「お荷物」なのか 毎年のように「交流戦廃止論」が浮上するが…

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球団の収益の柱は、ホーム開催ゲームでのチケット販売収入である。そのため、ホーム開催ゲームでの入場者数は経営にダイレクトに効いてくる。

プロ野球は2015年シーズン以降、1チーム当たり年間143試合を戦っている。143試合のうち18試合が交流戦で、残る125試合がリーグ戦。試合数が奇数なので、ホーム開催できるゲーム数は、143試合のうち72もしくは71試合ということになる。

交流戦のゲーム数は18試合と偶数なので、ホーム開催は1チーム当たり年間9試合。リーグ戦のホーム開催数は62、もしくは63試合だ。

セ・パ交流戦はどれだけ観客を集めているのか

下の表はNPB(日本野球機構)公表の入場者数データを基に、交流戦だけの1試合当たりの平均入場者数と、リーグ戦の1試合当たりの平均入場者数を割り出し、集計したものだ。1試合平均の入場者数で交流戦のほうがリーグ戦より多かった場合を赤色で示している。なお、2014年以前は年間試合数は144試合、うち交流戦が24試合で、ホーム開催は交流戦12、リーグ戦60試合の合計72試合だった。

2017年は、まだシーズンが終了していないので、交流戦終了時点までで交流戦とリーグ戦の1試合当たりの平均入場者数で表示、比較のために昨シーズンの同時期の数値も掲載した。

2017年の交流戦は、12球団中8球団で、リーグ戦の平均入場者数を交流戦の平均入場者数が上回った。リーグ別で見ても、セ、パともに交流戦がリーグ戦を上回った。

2016年までの4シーズン平均でも、12球団中7球団で交流戦がリーグ戦を上回る結果である。この数字を見るかぎりは、交流戦がお荷物であるとは、とても思えない。

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