もはや昭和!過剰品質「ダメ資料」4つの特徴 「資料ダイエット」で長時間労働は減らせる

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昭和度が高い資料の特徴③ 装飾・演出が多い

立体グラフやエンボス(凹凸)加工などもボタンひとつでできるため、つい使いたくなりますが、これも時代遅れ感を醸し出してしまいます。Webやアプリケーションの世界では今はフラットデザインが主流です。リッチなグラフィックを駆使するのではなく、フラット(平坦)でシンプルな形を使用するデザインです。MicrosoftやGoogle、Appleなどがフラットデザインを採用していることからもグローバルで共通したデザインの在り方といえるでしょう。

過剰装飾を廃したシンプルなインターフェースに慣れてくればくるほど、その禅的な本質だけを目立たせるフラットデザインとごてごてデザインのギャップが際立ってきてしまいますね。

昭和度が高い資料の特徴④ 小さいイラストや写真が多い

写真やイラストは伝える情報量も多く、リアリティを感じさせますが、多用するとこれも逆効果です。たとえば、1枚のスライドの中に写真が何枚もあると、小さくなってしまうため、見る人は何の写真か認識できません。作成した本人はどんな画像か写真かを理解しているので、小さくてもわかりやすいと思いがちです。情報量が多い写真やイラストは資料をBusyにしがちです。1つのスライドでせいぜい2枚までにしておいたほうがよいでしょう。

作成や使用の過程にも「過剰の罠」が

表現の過剰についてお話ししてきましたが、作成の過程にも過剰になってしまう罠(わな)があります。

過剰の罠① 前任者からの引き継ぎ

前任者から引き継いだ仕事はまずは過剰を疑ってみましょう。前任者のこだわりや、例外的な依頼などで付け加えてそのままになっている場合があります。もっと大胆にするなら、いったん作成するのをやめてみてもよいでしょう。それで問題がないようであれば、品質ではなく資料の存在自体が過剰ですから、作成自体をやめてしまいましょう。

過剰の罠② 身内の会議にてんこ盛りの資料

資料は相手との距離感に応じてどこまで手をかけるかを決めましょう。最近目にするのは社内の資料なのに非常に凝ったプレゼン資料を準備しているケースです。会議の半分以上をその説明で費やして肝心な意思決定ができないことも。長いパワーポイントを薄暗い状態で見ていると段々眠くなってきますね。これは「パワポ死」とよばれる現象です。

Facebook社をはじめとしたいくつかのグローバル企業では社内ミーティングでのパワーポイントを禁止しました。これによって、資料作成の時間、説明を理解する時間が大幅に短縮され肝心な議論に集中できるようになったとのこと。発表する人も資料に頼れないので、きちんと情報や考えをまとめて話すようになったともいわれています。コピー&ペーストで量産された資料はまさに過剰です。自部門会議であれば思い切って資料なしにしたり、それが無理であれば、ワードで議題だけ、ホワイトボードに手書きにするなど資料自体を減らしてみてはいかがでしょうか?

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