もはや昭和!過剰品質「ダメ資料」4つの特徴 「資料ダイエット」で長時間労働は減らせる

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過剰の罠③ 使用用途を把握せずに作成している

実際にあった例で説明します。私の部下が資料作成で残業続きのため調べてみると、10くらいある他部門からいろいろなリクエストがあり、それに対応しているのでとても時間がかかっているとのことでした。

資料がどう使われているかを追跡調査をしてみると、どの部門も経営会議の報告資料にその資料を入れているということがわかりました。つまり提出先は同じにもかかわらず、バラバラの情報提供を求められていたわけです。これは私の部下だけではなく、10部門の担当者の時間もそれぞれまとめるので無駄です。交渉して10部門同じ形式でまとめて提出させてもらうようにしたところ、作成時間は劇的に減りました。依頼が重なってきたら「どんな目的でどんなふうに使うのか?」を確認すると過剰作成を防げます。

過剰の罠④ 「あれ、どうなってる?」に過剰反応

偉い方(上位職の方)がたまたま思いついたことに対して、「あれ、どうなってる?」と言うとお付きの方から「大至急⚪⚪の情報を提出してください!」と号令が下り、緊急かつ重要な仕事としてふってきて予定外の残業……という経験をした方は少なからずいるのではないでしょうか?

これは少なくない範囲の方々に影響が及ぶことも多く、一度「あれ、どうなってる?」のために費やした資料作成時間を算出したところ、30万~200万円くらいになったことも。

本当に経営視点や管理視点で重要な情報であれば対応が必要ですが、たまたまの思いつきに過剰に反応して資料を求め、かつそれを定期的に提出することになると過剰な資料がどんどんと増えていきます。金額換算してみるとその無駄に気づくことにつながります。

影響範囲と品質レベルを意識する

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また、中間管理職の方の裁き方によっても大きく変わります。実際に私がついた上司の方も、「XXさんが言ってるんだから至上命令! とにかく細かく正確に!」と過剰品質レベルにする人と、「今はざっくりわかればいいからね」と最適品質にする人に分かれ、当然ながら部下である私の作業量も大きく変わりました。中間でかかわる人の反応によって過剰が増幅していきますので、資料の依頼者、とくに上位職の方は影響範囲と品質レベルを意識して依頼したほうがよいでしょう。

いつもやっている資料の「当たり前」を少し疑って、どうやって使われるのかを追跡調査し、それを達成するための最適品質は何かを問い、過剰演出をやめてみましょう。生産性が注目されている今が、メタボ資料体質からの変換のチャンスです。 

清水 久三子 アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント

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しみず くみこ / Kumiko Shimizu

アンド・クリエイト代表取締役社長・人材育成コンサルタント
大手アパレル企業を経て1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。企業変革戦略コンサルティングチームのリーダーとして新規事業戦略立案・展開プロジェクトをリード。「人が変わらなければ変革は成し遂げられない」との思いから専門領域を人材育成分野に移し人事・人材育成の戦略策定・制度設計・導入支援などのプロジェクトをリード。コンサルティングサービス&SI事業の人材開発部門リーダーとして5000人のコンサルタント・SEを対象とした人材ビジョン策定、育成プログラム企画・開発・展開を担いベストプラクティスとして多くのメディアに取り上げられた

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