激増の高齢者孤独死は「7割が男」という現実

既婚者でも「妻が看取ってくれる」は大間違い

男女とも高齢独身率が高いエリアは、青森を別格とすれば、鹿児島、高知、長崎、福岡などの九州地方に集中しています。興味深いのは、「未婚男が割を食う『バツあり男』の再婚事情」という記事で、再婚数の上昇率ランキング1位だった滋賀県が、この高齢独身率では男女そろって下位に来ているということです。

20の都道府県で女性の独身率が5割超え

しかし、何より驚愕するのは女性全体の高齢独身率の高さではないでしょうか。トップの青森55.10%を筆頭に、50%を超える県が20もあります。全国平均でさえ49%に近い数字です。もはや高齢女性の半分はソロになるというわけです。

2035年の将来推計人口でも、高齢独身女性は約1200万人に対し、高齢独身男性は半分以下の約500万人であることからも、長寿の女性はそれだけ人生の終末にソロに戻る確率が高くなります。

だからといって、既婚男性も安心はできません。「妻が最後を看取ってくれる」というわけではないのです。独身の内訳構成比を見ると、女性は未婚9%、死別80%、離別11%と圧倒的に死別が多いのですが、男性も未婚27%、死別51%、離別22%と離別・死別によるソロ率が7割以上を占めているのです。

いつまでも結婚しようとしないソロモンに対して、「結婚しないと孤独死するぞ」という言い方をする既婚者がいまだに多くいます。ただ、正しくは「結婚したとしても孤独死になる可能性はある」ということを認識すべきです。たとえ子がいても、同居するとは限りません。結婚して子どもを産み育て、家族という共同体を作れば安心・安定だった時代は、残念ながら過ぎ去りました。言うまでもなく、結婚や家族それ自体を否定するわけではありません。が、ソロに戻るリスクは全員にあるのです。

「孤独死」とは、一般的には、「一人暮らしの人が自宅で、自殺や他殺以外によって、誰にも看取られずに亡くなる」こととされ、親族がいる場合でも、死亡時に誰もそばにおらず、一人で死亡した場合を指します。しかし、実は、「孤独死」に対して法的に明確な定義はなく、警察庁の死因統計上では変死に分類されています。その名称も「孤独死」のほか、「孤立死」や「独居死」などまちまちです。そのため、「孤独死」を明確に定義づけた国としての統計は存在しません。

ここでは、東京都福祉保健局が発表している「東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計(異常死数)」[金涌佳雅、谷藤隆信、阿部伸幸、野崎一郎、青柳美輪子、落合恵理子、森晋二郎、舟山眞人、福永龍繁「東京都23 区における孤独死統計(平成15~19年)世帯分類別異状死統計調査」東京都監察医務院編2011年]を参考に、その実情を把握していきたいと思います。なお、対象範囲は東京23区内のみ、単身世帯の実績だけを抽出しています。

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