グローバルエリート・イン・チベット
チベットへの行き方だが、私はまず中国は四川省の友人の家に数泊して辛い辛い四川火鍋で腹ごしらえをしたのち、世界一標高の高い鉄道である青蔵鉄道に乗る前に、四川省の名物でもあるパンダ園に馳せ参じた。
パンダのどこがかわいいのか、納得できず
たまたま日本人の友人カップルと一緒に行くことになったのだが、その彼女のほうが大のパンダ好きでパンダパンダ言うてたのが私の脳裏にこびりついている。私はここだけの話、別にパンダを全然かわいいと思わず、実は獰猛な狸だかクマだかの亜種だと思っているのだが、この見かけのおかげで四川省は大いに儲かっており、外見で得をするのは人間も動物も同じようだ(ご存じのよう、パンダの貸し出しの値段が1億円とかでメディアに騒がれたことがあった)。
とにかく私はパンダにそれほど価値を見出しておらず、うまくパンダのマーケティング戦略に世界中がのせられて、踊らされてしまっている気がする。
さて、パンダざんまいの翌日に、もはやプレミアムチケットと化している青蔵鉄道に乗って(現地の友人に手配してもらったので私は無事買うことができた)寝台列車旅行でラサに向かったわけだが、これがまた絶景で標高4000メートルの高原に突然ヤギやヒツジの大群が現れ、またサファイアブルーに輝く湖が視界に広がる。
高速列車で通り過ぎても通り過ぎてもひたすら雄大な山脈が続き、ふと線路の傍に目をやると五体投地で漸進しているチベット族の皆さんが。鉄道の中でも2日目からは標高も高く、車内の酸素マスクにお世話になりながら高原病の頭痛と闘いながら現地の散列痛とかいう薬を飲んでしのいだわけだが、標高への適応に3~4日、着くまでに3日くらいかかる日程ロスを甘受できる長期休暇の持ち主の皆さんはぜひ、訪れてみていただきたい。
苦労してチベットに到着された暁には、自然とその高い精神文化の美しさに関し、チョモランマ並みに最高の感動を味わえるだろう。
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