終戦記念日に、安倍首相が話すべきこと

アウシュヴィッツで考える麻生発言(下)

歴史教育では、何を学ぶべきか?

毎年この季節に取りざたされる歴史認識だが、一体子供たちは歴史教育で何を学ぶべきだろう。

私は従来の歴史教育に見られるような、無機的な年代や壺の作者の名前よりも、あの戦争に関してはまず、欧米列強によるアジア侵略の背景となぜ侵略戦争が 起こったのかを教えて一般的な戦争の発生要因について学ぶべきだと思う。(実際、欧米による中国を含めたアジア侵略が無ければ、明治維新や日清戦争もなかったであろ う)。

そしてそれに抗するための明治維新(清と朝鮮は改革に失敗した)と改革を材料に、政治改革の成功・失敗要因を学ぶのが望ましい。

続いて、軍部の暴走をみた過酷な植民地支配と無謀な戦線拡大・侵略を正当化するために、アジア中で多くの人間の命を奪ってしまったこ との実態を学ぶことは日本とアジア諸国の信頼醸成に大いに役立つだろう。ここは抽象的な単語ではなく、詳細な具体例で被害者への共感と胸の痛みが必要だ。

そして最後に戦後の平和憲法下での日本の多大な国際貢献というセットを学ぶことで自国に誇りを持つことも担保して、包括的な歴史の教訓を徹 底的に伝えるべきである。

また韓国や中国も、日本側で過去を否定する政治家の言動が止まり、しっかり侵略の過去が教えられるならば、両国友好のためにも、戦後の日本の国際貢献を正当に教えることができるはずだし、そうしなければならない。

近代史には子供たちが将来を生きる上での教訓があまりにも多いのだが、学校の先生や政治家自体がこれをわかってなさそうなのが極めて残念だ。これらの途方もない経験、成功、失敗から歴史的インプリケーションを1憶3,000万人なりの人間が学ぶ機会がないのは、集団的忘却の強制で、未来に対する歴史的犯罪であろう。

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