終戦記念日に、安倍首相が話すべきこと アウシュヴィッツで考える麻生発言(下)

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 グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。
明日の終戦記念日に、安倍首相は何を語るのか(撮影:梅谷秀司)

さて、本日は終戦記念日週間にかこつけてお送りする、アウシュヴィッツで考えた麻生氏発言の最終章である。今日はつい先ほど入ってきたニュースをもとに、韓国の国会議員への批判から開始させていただきたい。まず私は韓国の有力な政治家とも人脈があるわけだが、彼らも「政治家の質の低さは恥ずかしい限りで多くが人気取りの行動ばかりしている」と嘆いている。

日本や韓国の企業はグローバル化に成功して民間企業で働く人は世界的な視点とかセンスのあるリーダーが多いのだが、政治家になると国内志向で人気取りのポピュリストが多いか、ないしご自身の想いとは裏腹に、それが隣国や国際社会でどう受け止められるのか、わかっていない人が多すぎる。

8月15日に靖国神社に韓国の議員が来て安倍首相を批判するらしいが、頼むからやめてほしい。私はいま韓国国会議員の秘書さんらに“その該当議員に、頼むからやめてくれ、とグローバルエリートから連絡があった”と伝えてくれるようお願いしているのだが、おそらく感情的に高ぶって敢行されることだろう。

安倍氏の歴史認識や言動を批判すること自体は、私自身もやってるので別に構わない。ただ、時と場所と言い方と、その相手国での受け止め方を意識せずに感情的対立を悪化させ、結局国益を害するのは韓国の政治家の悪いところで、その行動の結果損失を被る多くの日韓両国の人々の犠牲の上で、自分たちだけが自己満足することになる。

両国の民間交流のために尽力されてこられた方々や、批判の矢面になりながらも歴史問題の克服に筆を執ってきたグローバルエリートの努力に水をかけ、両国関係を炎上させるのは日本でも韓国でも政治主導の愚かさである。

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